グローバル化・サイバー化が進む我がニッポンにおいて、仕事も収入も一部の“できる”社員に集まる傾向が強まる、と言われています。そして、そういった社会の二極化に対応するには、巷のビジネスパーソンたちは“働きながら勉強し続ける”必要があると、小宮コンサルタンツ代表の小宮一慶氏はおっしゃいます。
能力に差をつける「勤勉習慣」のすすめ
※小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶・・・「ひらたくいえば、コンピュータに仕事を奪われる人が今後もすごく増えていくということです。昔はスーパーのレジ打ちの達人のような人がいたけれど、今はピッピッと商品のバーコードを機械にかざすだけでいいから新人の低賃金の人にもできる。経理だって、以前は貸借対照表を読めて帳簿もつけられないといけなかったけれど、現在は伝票さえパソコンに打ち込めば決算書まで作ってくれる。簡単な作業の労働はなくならないまでも、機械ができる労働の単価は下がるでしょうね」(小宮氏)
その一方、営業職や研究職、経営者などは機械任せにはできない。それだけに能力差が出やすい。能力を出せる分野で能力を出した人には高い報酬がついてくる、と小宮氏はいう。では、いかに周りより能力を発揮するか。
「例えば、工場の単純労働をしている人が、工場のラインを設計し管理する側に回るくらいの猛勉強。それをこれからのビジネスマンはしないといけないのだと思います」(小宮氏)
※PRESIDENT Online、2015年02月05日、引用
コンピューターの本質は「中抜き」
コンピューターやITの本質は「中抜き」であると、ホリエモン(堀江貴文氏)は前から持論を述べていますが、上記の小宮さんも同じような意見です。コンピューターにどんどん仕事を取られてしまうので、(例えば)文系であれば営業職、理系であれば研究職、そして経営者を意識した勉強を常に心がけるべきだ、ということだと思います。
これは学生さんにも伝えるべき話かもしれません。いや、若い方々はカンが鋭いので、言われなくてもこのことについては、肌感覚で気が付いているかもしれませんが・・・。まぁ、高校生・大学生・専門学校生あたりは、社会人一歩手前なので、薄々感づいていないとまずいね。
「営業・研究・経営」の三本柱
したがって、学生さんたちも、従来あった“仕事”がどんどんITに置き換わるという理解が必要です。そして、残った人間固有の“仕事”である「営業・研究・経営」の三本柱に、なんらか寄与する“勉強”をしなければならない、と考えるべきでしょう。
ちなみに、ここでいう「営業・研究・経営」は広い意味で捉えたいです。「経営」と言っても単なる会社経営だけではなく、あらゆる組織の経営を含みます。家族も学校も行政も町内会も「組織」だし、もっと極端に言えば、人間のカラダも「組織」です。だから、拡大解釈すれば、自分自身の健康管理も「経営」というカテゴリーに含まれると思います。
勉強習慣のススメ
もう一つ、学生さんたちに言いたいのは、まさに「勤勉習慣=勉強習慣」のススメです。上から目線で恐縮なのですが、学生のうちから勉強する「習慣」をつけておけば、社会人になってもその習慣は維持されます。これが大事なのです。
社会・経済の状況は年々変わるわけで、それに対応するには常に勉強する姿勢が必要です。学生時代に「勉強習慣」を身に付ければ、社会人になっても必ずや自分自身を助けるでしょう。いや、これは間違いないと思う。
特にこれからの時代は「挫折」の時代であり、誰もが挫折の連続を経験するのがあたりまえになる。社会がグローバル化・サイバー化し、予想もしない状況に直面しやすいからです。その際にも、もし当事者が「勉強習慣」を身に付けておけば、その人は「挫折」を克服しやすいといえる。
コンピューターによる中抜きが進み、人間でないと対応できない能力が“仕事の能力”となると、常に勉強して成長する資質がビジネスパーソンに求められます。まだ若い学生諸君には、ぜひ「勉強習慣」を身につけていただき、社会の荒波を乗り越えてほしいと思います(わ〜、上から目線でごめん)。
※参考資料:
・ネットの本質は「中抜き」、ネット塾ジャーナル、 2014年01月27日
・「挫折を知らない奴は打たれ弱い」、ネット塾ジャーナル、2014年07月31日