リーン・イン(LEAN IN)

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※日本経済新聞、2013年07月06日、写真

フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)が来日されたようで、日経新聞にもインタビュー記事が出ていました。

・・・グーグルでは4千人いるチームを率いて、朝7時前から夜7時すぎまで働いていた。ところが出産すると、そうはいかなくなった・・・こっそり勤務時間を変えた。机のライトはつけっぱなしにし、ジャケットは椅子にかけてオフィスにいるかのようにみせ、駐車場にダッシュする。それでも仕事の成果は落ちなかった。・・・

長時間労働も問題だ。日本の1人あたりの総実労働時間は他国に比べて長い。安倍晋三首相は女性活躍を成長戦略の一つに掲げているが、長時間労働を見直さなければ、子育てなどをしている女性の就労は促進しない・・・

長時間労働を見直しても、仕事の成果は落ちない

同感です。長時間労働を見直しても、仕事の成果は落ちない。労働生産性は落ちない。むしろ生産性は上がる。人間、“残業” や “休日出勤” できると思うと、必ず生産性は落ちる。「長時間労働できない」という危機感が、労働生産性を上げる。

また、サンドバーグ氏は2013年7月2日の記者会見で、「LEAN IN(リーン・イン)で3つのことを伝えたかった」と言っています。①「女性はこうあるべきだ」という枠組みを外すこと。②女性社員が母親になっても働きやすい企業体質を作ること。③家庭における(男性と女性の)役割分担を変えること。


会社も男性も家事・育児に協力せよ

具体的に重要なのは②と③でしょう。つまり、会社も男性も家事・育児に協力せよ!ということ。まぁ、当たり前と言ってしまえばそれまでなのだが、従来はなかなか上手くいかなかった。それで結果として、①の意識改革が進まなかった。

今の世の中、企業も男性も女性も潜在意識の中では、「ジェンダーフリーで家事・育児は男女(女男)共同で・・・」と思っている。ただ現実的には、勤務先の業績も悪く、仕事は回りにくいし、長時間労働で何とか対処しつつ、だから男性社員(夫)は家に帰ったらヘトヘト・・・と、こんな感じでしょう。

でも近年、日本では「イクメン」がもてはやされる風潮もある。サンドバーグ氏の言う①の枠組みは外れやすくなっていると思う。問題は②と③です。これもノートPCやスマホ(スマートフォン)等の普及で、ノマドワーキングがここ1~2年で目立ち始めています。いつでもどこでも仕事ができる環境が整いつつある。

つまり、無理してやろうと思えば、企業も男性社員も家事・育児に協力できる状況になりつつある。

子育てもリーン・イン

また子育てに欠かせない「教育」も、ネット塾などオンライン化している部分もあり、この分野でも徐々にフレキシブル対応可能になってきている。子育ても教育もリーン・イン(?)できるのです。社会全体の意識の変化と相まって、“リーン・イン” 現象は日本でも徐々に浸透するでしょう。

インターネット自宅学習システム「e点ネット塾」

まぁ日本の場合、世界で最も「少子高齢化」が進んでいるので(特に高齢化)、米国よりも女性の社会進出に対する社会的要請は強い。とにかく “老大国ニッポン” では、老人ばかりで働き手が少ない。年金・医療・介護を維持していくには、女性も男性同様、バリバリ働いてもらって、税金と社会保険料をドンドン納めてもらう必要がある。

だから、こと女性の社会進出に関しては、日本は米国より進む(というか進まざるを得ない)。幸か不幸か、望むとの望まざるとに関わらず、「リーン・イン」は世界的にも日本主導で進むと思います。

※参考資料: 「マークと出会ってLEAN INを書いた」、米フェイスブックのサンドバーグCOOが来日会見、ITpro、2013年07月02日

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