偏差値ランキング
御存知の通り、大学受験において「良い大学・良くない大学」の指針の一つに、偏差値がある。これは入学を許可された、すなわち合格した学生が、入学前に(受験生時代に)どの程度の学力を有していたか、という統計上の目安である。
かつては、いや今でも「偏差値教育は間違っている!」という批判があるが、偏差値自体は受験生全体から割り出した該当生徒の「統計的位置づけ」を示したに過ぎない。別に「偏差値教育」というカテゴリーの教育スタイルがあるわけではない。
もちろん一般的に、偏差値はかなり正確に、その大学に入った学生たちの学力を示している。偏差値を導き出す上で、母数が多ければ多いほど正しい値が抽出される。大学受験における偏差値で、特に多くの大学・学部で採用している3科目(3教科)入試では、受験者数が多いので正しい(とされる)値が出やすい。3科目入試の「偏差値ランキング」は、ほぼその大学・学部の学力と人気を反映している。
入学後のランキング?
それに対して、入学後の大学ランキングは、むろん専門的には論文の提出数とか研究成果とかを主に指数化した順位だろう。THE世界大学ランキング(Times Higher Education)などはその部類に入るかもしれない。
ただ大学も教育機関であり、優秀な学生を生産する「工場」だと乱暴な仮定をすると、教育進学総合研究所が発表する「面倒見が良い大学ランキング」は一つの大きな判断材料になる。面倒見が良いということは、卒業後のことに、その大学が力を入れている、ということになるからだ。
昔と違って、単純に「官庁や大企業に多くの学生を入社させた」というだけで、その大学が評価されるわけではない。きれいごとではなく、学生たちが希望の進路に進み、多少の苦難を乗り越えても、それなりに充実した人生を送ってもらうことが重要だ。
絶対的な正解はないのだが、「面倒見が良い」というキーワードは、その大学が学生の人生を真剣に考え、取り組んでいる証でもある。ぜひ大学受験をする際には、このような大学の「面倒見の良さ」も、一つの選考基準にされてはいかがだろうか。
※参考資料:
・偏差値、Wikipedia、最終更新2016年10月14日
・最新!「面倒見がよい大学」ランキング100、就職四季報プラスワン、東洋経済オンライン、2017年02月10日
・面倒見が良い大学ランキング2017、1位は13年連続のあの大学、リセマム、2017年09月21日
・THE世界大学ランキング 日本版|日本の大学の教育力ランキング