好きこそ物の上手なれ(2)

以前「好きこそ物の上手なれ」で脳科学的なアプローチから、”好き・嫌い” という感情が勉強のモチベーションや効率に深く関わっていると書きました。まさしくその通りなのですが、現実の生活からもそのことは言えます。明大教授の友野典男先生が面白いことを言っています。

多くの人が、経済は合理的な予測や判断で動いていると堅く信じている。・・・だが、考えてみてほしい。たとえば出勤途中で選ぶ缶コーヒーだ。何十種類の中から毎回合理的な判断に基づいて「今日は無糖ブラック」などと決めているだろうか。ほとんど説明のつきようのない心情で選択しているのではないか。・・・

※友野典男・明治大学情報コミュニケーション学部教授、感情と勘定、どっちが合理的?、日経ビジネスオンライン、2008年12月04日

おお〜! 缶コーヒーの選ぶ基準か・・・。納得です。ぱっと見てその印象で決めるなり、コマーシャルでよく見るから決めるなり、さらになんとなく気分で選ぶなり(前述と同じか・・・)、もちろん機能性など理屈で選ぶ時もありますが、だいたいはその場の感情でしょう。

行動経済学の大家・ダニエル・カーネマン氏は「感情が理性を屈服する」(主旨)とおっしゃっています。どちらかと言うと生活に密着した経済学である行動経済学ですが、その経済学の観点からみても、人間というのは感情・直感の動物なのです。まず感情ありき。好き嫌いありき。感情→行動→理屈(理性)となる。ロジックなんておおかた後付けなのです。

これはまさに脳科学的アプローチと結論はいっしょ。人間は財布からお金を出すとき、多くは感情で出している(支払っている)。後付けで理屈をこねている。僕の友人なんか、奥さんに黙って勝手に好きなクルマ(ミニバン)を買って(300万近い!)、後付けで「自分の部屋がないから、クルマは書斎代わりだ!」なんて、のたまわれています。年に数冊しか読まないのに・・・。

関先生の英語への深い洞察

勉強するときも、例えば高校や大学を選ぶ、専攻を選ぶ、資格を選ぶ、仕事のスキル・武器を身につけるときも、もちろん自分にとってのメリットを考え(良い意味で)打算的になるのも必要ですが、やっぱり最も大切なのは「好きか嫌いか」でしょう。ネット塾(オンライン教材)などを選ぶときもそう。

わたしはスタディサプリの関正生先生(英語の授業)にとても興味がそそられますが、純粋に講義が面白いからです。英文法や英単語の説明にノルマン・コンクエストが出てくる(匂わせてくる)なんぞ、関先生だけでしょ! ロバート・キャンベルさんが日本人以上に日本への深い洞察があるのと同様に、関正生さんも英米人以上に英国・米国の文化・言語に関して詳しい。そう感じています。

脳科学的にも経済学的にも人間は「感情」の動物なのです。「好きこそ物の上手なれ」ですね。お後がよろしいようで。

※参考資料:
「コツコツ努力できる人」は前向きでも、モチベーションが高いわけでもない。自動的に動いているだけ。、安達裕哉さん、Books&Apps、2016年07月01日
ダニエル・カーネマン、Wikipedia、最終更新2015年12月26日
行動経済学、Wikipedia、最終更新2016年04月28日
感情と勘定、どっちが合理的?、日経ビジネスオンライン、2008年12月04日
ミニバン、Wikipedia、最終更新2016年02月20日
ノルマン・コンクエスト、Wikipedia、最終更新2015年09月30日
ロバート・キャンベル、Wikipedia、最終更新2015年04月27日


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