好きこそ物の上手なれ

・・・脳のメカニズムは、脳のさまざまな部位が互いに協調しながら、情報のバトンを渡していくリレー競技のようだ。・・・

目や耳から入ってきた情報は、視覚や聴覚をつかさどる「大脳皮質神経細胞(1)」の感覚中枢にまず入り、そこから「A10神経群(2)」と呼ばれる部位に送られる。「A10神経群」には、「危機感や感動」「好き・嫌い」「面白そう・つまらなさそう」などの感情をつかさどる神経核が集まっていて、入ってきた情報にこうした「感情のレッテル」を貼り付ける・・・

この最初に貼られたレッテルは、脳がその後に情報を理解・判断し、記憶するプロセスのすべてに影響を与える・・・。最初に「好き」「面白そう」「やってみたい」というポジティブなレッテルを貼られた情報については、脳の理解力や判断力、思考力、記憶力は格段に威力を発揮する。・・・

何にも長続きしなかった原因はこれだ!、PRESIDENT Online、2014年08月09日

脳は好き・嫌いのレッテルを貼る

上記の説明は、脳神経外科医の林成之(なりゆき)・日本大学大学院総合科学研究科教授によるものだが、実にわかりやすい。いわゆる脳科学における「報酬系」とか「脳内麻薬」とか「ドーパミン神経系」と呼ばれているカテゴリーだが、実際のところぶっちゃけ「脳はまず好き・嫌いのレッテルを貼る」といった点から始まる。

いったん「好き」と判定されレッテルを貼られると、脳はフル回転する。そのあと、論理性を後付け的に付け足し、情報を整理する。そしてその後、脳は報酬(ご褒美)を与えられることで機能が増し、最後は記憶をつかさどる「海馬・大脳辺縁系」にたどり着く。

これらはやや乱暴で大雑把な解説だが、まずは「好きになる」「面白そう」という感情が大切だ、ということだ。この最初のレッテル貼りがうまく行けば、脳力(Brain power)はその力を格段に発揮しやすい。”好きこそ物の上手なれ” とはよく言ったもので、脳科学的な分析からもその通りなのです。

 脳の中の7人の侍―勝負に強くなる

※参考資料:
報酬系、Wikipedia、最終更新2015年10月13日
快感神経 ドーパミン A10、NAVER まとめ、更新日2016年05月11日

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