※画像: テキスト「10代から学ぶパーソナルファイナンス」(学校には無償提供)、日本FP協会、引用
生徒が「教育」を作る
“「何かを創り出す」教育” でも書きましたが、これからは徐々に、生徒が教育プログラムの中身を自ら提案して、作り上げていくノリが出てくると思う。教育そのものが上から降ってくる感じから、生徒から教育そのものを作っていくイメージでしょう。
もちろん日本人としての基本技能、いわゆる「読み書きソロバン」は小学校などで徹底的に「上から降ってくる」べきでしょうが、そこから先は先生が生徒に一方的に教えるパターンは減少すると思う。ICT教育すなわちオンライン教育・ネット塾といった形態に、人工知能(AI)とロボット工学(ドローン含む)がビルトインされ、教育の質が変わっていくでしょう。
AIとロボットを使いこなし、カスタマイズし、状況にあったAI・ロボット環境を作る。そういったセンスとノウハウが近未来には求められる。教育もその方向に進むでしょう。その中で、語学や数学、プログラミング教育の他に、ファイナンス教育(金融教育)も入ってくると思う。
ファイナンス教育と中等教育
現在において、大学におけるファイナンス教育(金融教育)は少しづつ盛んになってきているが、私は中等教育でも、もっとファイナンス教育を大胆に取り入れてもいいと思う。
なぜか。今後、社会のサイバー化はどんどん進み、お金の存在もどんどんサイバー化し、具体的なものから抽象的なものに変質してくる。いわゆるFintechの領域がどんどん広がる。これからの時代、子どもの頃から基本的なファイナンス教育を施さないと、お金とはなんぞや、経済とはなんぞや・・・というのがだんだんわからなくなる。
※写真: 東証Arrows見学、日本取引所グループ、2015年10月29日更新、引用
現在はまだ現金・キャッシュが中心となって日常の経済が回っているが、これが電子マネー中心になると日常のお金のやり取りでさえ見えにくくなる。とりわけ子どもたちは??となると思う。それをカバーするのがファイナンス教育・金融教育です。ぜひ、中等教育からファイナンス教育を少しづつでもいいから確実に取り入れる。このことはとても重要だと思います。
ただ最後に一つ付け加えると、ここでいうファイナンス教育には経済の三要素「ヒト・モノ・カネ」をキチンと網羅すべきです。ですから、もしかしたら「ファイナンス教育」というより「経済の基礎教育」と言ったほうがいいのかもしれない。いずれにせよますますサイバー化する経済に対し、子どもたちがある程度しっかり経済状況を認識できる教育プログラムは用意されるべきでしょう。
※参考資料:
・「何かを創り出す」教育、ネット塾ジャーナル、2016年05月26日
・人工知能(AI)をビジネスに活用する「冴えたやり方」、TechTargetジャパン、2016年05月30日
・Fintech、Wikipedia、最終更新2016年04月10日
・中等教育、Wikipedia、最終更新2016年04月01日
・第5章 初等中等教育における学習指導でのICT活用、文部科学省
・金融教育をめぐる国内外の状況 と課題、伊藤宏一・千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科教授、金融庁、2012年11月08日
・テキスト「10代から学ぶパーソナルファイナンス」(学校には無償提供)、日本FP協会
・東証Arrows見学、日本取引所グループ、2015年10月29日更新