宿題を先延ばしにしない

行動経済学を専門とする大阪大学の池田教授の研究も、とても興味深いものです。この研究では、子どものころに夏休みの宿題を休みの終わりのほうにやった人ほど、喫煙、ギャンブル、飲酒の習慣があり、借金もあって、太っている確率が高いことを明らかにしています。

要するに、宿題を先延ばしにするような自制心のない子どもは、大人になってからもいろいろなことを先延ばしにし、「明日からやろう」といっては結局禁煙できず、貯蓄もできず、ダイエットもできないというわけです。

「学力」の経済学、中室牧子(著)、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2015年、96-97頁

「自制心」とは、すなわち自分自身の感情や欲望などをアンダー・コントロールできる能力のことですが、これを身につけた子どもは大人になってからも適切に自分をアンダー・コントロールする傾向があり、社会に出て成功しやすい。端的に言えば、より多くの収入を得ることができる(可能性が高い)。

認知症は「自制心」が崩れた典型

ちょっと話しはズレますが、近年問題が顕在化しつつある高齢者の認知症の場合、まさに「自制心」が崩れた典型だと思う。例えば、金融機関は認知症の高齢者にはお金を貸しません。たとえ十二分な担保余力があっても、保証人(後見人)無しで貸すことは無い。

認知症にかかっった人間は自制心がなく、自分をアンダー・コントロールできない。そういう人間には目に見えない「信用≒クレジット」が著しく減少している。信用の欠乏した人間には、お金は集まらない。融資も投資も取引も、ビジネス全般がほとんど成立しない。

自制心→クレジット→お金

つまり分かりやすく言うと、”自制心” がある人間には、”クレジット” のオーラが舞い降り、自然と “お金” が集まってくる。”自制心→クレジット→お金” という目に見えない経済の流れが生まれる。

いわく「子どものころに夏休みの宿題を休みの終わりのほうにやった人」ほど、自制心が少なく、お金に苦労する、と言い換えることもできる。行動経済学とビッグデータ解析が結合すると、こういった相関関係がどんどん表に出てくるでしょう。

まぁ、学校の宿題は早めに終わらせましょうね。将来、お金を稼げる大人になるには・・・。

 「学力」の経済学 [ 中室牧子 ]

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