心を無視した受験勉強はNG

灘高校から東大を受験した生徒の過去の合格実績を分析すると、趣味や娯楽を全面的に排除し、ひたすら受験勉強に邁進した、いわゆるガリ勉タイプの生徒は、イザとなると入試に落ちている場合が多いということでした。

こういうタイプの生徒は、高校2年生までは同級生より勉強時間が圧倒的に長いので、定期テストでは常に上位の成績を残します。ところが、高校3年生になり受験が近づくと、誰もが勉強時間を増やすので、ガリ勉の優位性は絶対的なものではなくなります。

もちろん、ガリ勉タイプの生徒も、さらに勉強時間を増やして優位を保とうとするのですが、やがて心の限界を超えてしまうと焦燥感を生み出すことになります。・・・最悪の場合は、うつ病に陥ることもあり、実際、秋が深まると私のクリニックにも、そのような経過をたどってしまった受験生が急増します。

試験に受かる「技術」 灘高が教えてくれた「超」合理的メソッド (講談社現代新書)、吉田たかよし著、2015年、36-37頁

趣味や娯楽の重要性

吉田たかよし先生いわく「ガリ勉タイプはまずい。一日1時間程度の趣味や娯楽の時間は確保しろ!」とのこと。吉田先生一流の「学問のすゝめ」もとい「よく学びよく遊べのすゝめ」ですが、これが意外と受験勉強において重要です。

その理由として、「人間の脳は心に支えられて機能する仕組みになっているので、心を無視した受験勉強など愚の骨頂・・・」であり、「心をメンテナンスするための趣味や娯楽の時間を安易に削ってはいけません」と看破しています。一言で言えば、趣味や娯楽の時間は、疲れた心を癒やしてくれるのです。

脳は心に支えられてはじめて機能する

急いては事を仕損じる、と言いますが、受験準備の勉強も同じ。単なる「焦り」ならともかく、それが「焦燥感」に変わり、そして心の状態をかき乱し、さらに精神が崩壊状態になると、もはや受験どころではありません。

そうならないためには、たとえ受験勉強の期間中であっても、一定の趣味や娯楽の時間はキッチリ確保(死守?)し、心のメンテナンスに文字通り “心を配る” 必要があります。なぜなら人間の脳は「心」に支えられてはじめてマトモに機能するからです。「心」という基盤がまず第一にあり、その上に「学習・勉強」という行為が乗っかるわけです。

ちなみに、ホリエモン(堀江貴文氏)よろしく「睡眠時間」も削ってはいけません。単に記憶力が落ちアタマの回転が悪くなるというだけでなく、趣味や娯楽の時間と同じように、睡眠時間も心のメンテナンスに必要だからです。


スキマ時間をフル活用

ただ現実的には、志望校や資格試験に合格するためには、ある程度以上の勉強時間も確保する必要があります。当たり前ですね。したがって睡眠時間や趣味・娯楽の時間をしっかりキープしている状態だと、肝心の勉強時間が少なくなる・・・。誰もがそう思います。

そこで、発想の転換が必要になります。いわゆる「スキマ時間」をフル活用するわけです。つまり、一日のスケジュールとして「睡眠時間」と「趣味や娯楽の時間」は最初からきちんと固めてしまい、残った時間をいかにムダなくやりくりして勉強するか・・・という考え方になります。

例えばスキマ時間の代表例が、通勤・通学時間ですが、『通勤大学』なんていうタイトルの書籍もあるくらいです。通勤・通学時間に本やスマホ(スマートフォン)で勉強するのは、今や当たり前というか、必須といえます。

通勤大学 MBA 1 マネジメント 新版 (通勤大学文庫)

ちょっとしたスキマ時間を有効活用するのであれば、やはりスマホ勉強が筆頭に挙げられます。「受験サプリ」では “大学受験に効く、新しい勉強法!” と題し、スマホでスキマ時間に講義動画を受講することをすすめています。


1講義は約60分ですが、もちろん自分の空いた時間での繰り返し学習も可能です。つまり自分のペースでムリ・ムダ・ムラなく学習を進めることができます。「受験サプリ」なら前述の心のパランスを保つための “趣味や娯楽時間、そして睡眠時間” との両立も十分可能でしょう。

いまやスマホ等を活用して効率よく勉強し、趣味や娯楽・睡眠時間は維持しつつ、「心のメンテナンス」にも気を配る受験生が、合格という人生のご褒美を得ることができるわけですね。


※参考資料:
「脳のゴミ出し」睡眠、ネット塾ジャーナル、2015年03月28日
“良い睡眠”は重要な心身のメンテナンス時間!、ネムジム、2014年05月07日

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