神経言語プログラミングの世界に、ニューロロジカルレベルという概念があります。これは、人が物事をどのように受け止めるか、その深さを知る上でとても分かりやすい概念です。大きく5つのレベルがあります。・・・
レベル1. 環境:自分の周りの人やツール、道具、仕組みやルール
レベル2. 行動:戦略や行動の質・量
レベル3. 能力:自分のスキルの有無、スキルの高低
レベル4. 価値観:物事に対する意識レベルや考え方
レベル5. 自己認識:あなたの人間性や人格、生まれつきの特性
(レベルの数字が上がるごとに、自分自身の「根幹」にかかわる部分となり、インパクトも大になる)・・・悩みやすい人は、何でも、「自分は○○に向いていない」「自分はダメだ」「自分は自信がない」という自己認識にあらゆる出来事をつなげ、自分を責めます。・・・スキルの次元で捉えていれば、自己認識レベルに波及しません。・・・問題や悩みは、行動やスキルレベル(レベル3程度)で考えるのがいいのです。・・・
※デキる人は「3週間分の悩み」を1時間で解消する、PRESIDENT Online スペシャル、古川武士、2015年05月25日、引用
「能力」の問題にすぎないと考える
なるほど。人間の物事のとらえ方は、外から内側に向けて「①環境→②行動→③能力→④価値観→⑤自己認識」とつながっていくのですね。で、自分のメンタルにインパクトを及ぼさないためには、③あたりのカテゴリーとして止める。できるだけ④や⑤に持ってこないようにする。
たしかに目の前で起きた “諸問題” に対し、④価値観や⑤自己認識の問題ととらえると、ココロの逃げ場がない。ココロの拠り所がつぶされたように、精神的に厳しい。いわゆる自分の「人格」及び「人格に近い部分」には、“諸問題” を立ち入らせない。これが、ストレスから身を守るコツかもしれません。
言い換えれば、多くの “諸問題” はせいぜい自分のスキルに依存する問題にすぎない、と思えばいい。スキルすなわち「能力」の問題なら、理屈の上ではいくらでも改善できます。いや、正しくは、改善できるととらえることができます。あくまで考え方ですが、個人の能力の問題であるならば、時間をかければ「埋め合わせできる」「取り返すことができる」「巻き返し可能だ」と発想できるでしょう。
昔読んだ本で、当時ロッテ・オリオンズ(古い!)に在籍していた三冠王の落合博満選手が、この「埋め合わせができる」というメンタリティーを持っていたそうです。昨日も今日もヒットが出ない。もうダメだ!と考えず、130試合トータルでヒットを150本ちょっと打てばいいと考える。すると、まぁ2〜3日打てなくても、全然平気だね、となる(p26〜28での筆者の解釈)。
なんと言われようとオレ流さ、 落合博満・著、講談社、1986年
教育は「やり直しが効く」行為
教育において、世の中のほとんど全ての “教育課程” において、「やり直しが効く」「取り返すことができる」と捉えることができます。実際に可能かどうかはさておき、そう “考える” ことは可能でしょう。
真面目な生徒や教育熱心な保護者や教員のなかには、こういった心の余裕がなく、学校の成績が下がると、もうダメだ!と考えがちな人も多い。これはまずい。しょせん学校教育など、③の「能力」をブラッシュアップする手段にすぎない。④価値観や⑤自己認識などの「人格」部分と学校教育とは、(本質的には)なんら関係が無い。
そう。例えば受験サプリで苦手分野だけでも、チョコチョコッと “練習” し続ければ、誰だって成績は上がりますよ。教育とは単なるスキルアップにすぎない。そう思えば、必要以上のストレスを感じずに、逆に勉強時間や学校生活を気楽に楽しく過ごせるかもしれません。そして、むしろ勉強好きになり、全体的に学業成績もアップするかもしれませんよ。