山登りタイプと波乗りタイプ

日本人の8割「波乗り人生」はなぜ漂流するか?

・・・アメリカを中心とする成功哲学本は、ある意味、個人主義の思想が色濃く出ています。・・・日本は、集団主義の傾向が強い国です。・・・この違いは、成功スタイルにも色濃く出ます。

私が、習慣化に関して個人コンサルティングをする時にその人のスタイルを見極める際、次の2つ(山登りタイプ、波乗りタイプ)を見るようにしています。・・・

米国型の成功スタイルは個人主義を前提に書かれている場合が多いのです。米国流の成功スタイルはどちらかというと、山登りタイプを軸に書かれているケースが多い印象です。しかし、日本人の傾向で言えば、8割ぐらいは波乗りタイプが多いのが実情です。・・・

  

習慣化コンサルタント 古川武士氏 – PRESIDENT Online スペシャル、2015年03月09日、引用

成功哲学の日米比較

この記事はなかなかわかりやすく、個人的には非常に参考になります。日米(米日)を比較して、個人主義的な米国には「山登りタイプ」の考え方の人々が多く、対する集団主義的な日本には「波乗りタイプ」が多い。2割8割の法則(80対20の法則、パレートの法則)よろしく、日本人の8割は波乗りタイプだと、習慣化コンサルタントの古川武士先生はおっしゃいます。

なるほど、確かにそう私も感じます。そして重要なことは、「自分が(比較的)どちらのタイプに属しているか」ということを判断することです。

山登りタイプはとにかく「目標」が明確で、それに向かって努力するプロセスやプランもわかりやすい。「目標とプラン」が決まっているの特長で、ゴールに向かって前進あるのみ、みたいな感じです。ただ最大の欠点は、「目標とプラン」にこだわるので柔軟性が低い。この「柔軟性の低さ」から、変化の大きな状況に陥ると、ストレスも大きくなりやすい。

対する波乗りタイプは、「目標とプラン」がいい加減なので、とにかくブレやすい。その結果、あれこれ寄り道をしがちで、延々と物事が前に進まない。しかし最大の長所は「柔軟性の高さ」で、状況が大きく変化しても、それをうまく取り入れる。また、意外にも、「好奇心旺盛で、失敗を恐れずとりあえず行動するという姿勢」(PRESIDENT Online スペシャル)があると古川氏は分析しています。

受験生にも山登りタイプ・波乗りタイプ

この「山登りタイプ・波乗りタイプ」分析は、例えば大学受験生にも当てはまります。わかりやすい例は、自分の近親者に病に倒れた方がいて、将来ひとりでも多くの方を救うために「医者になる」と心に決めた受験生のパターンです。もちろん、「山登りタイプ」の典型ですね。目標が明確で、大学で何を勉強するかハッキリしている。

これに対して、多くの高校生・受験生が同じ傾向だと思いますが、いわゆる大学=モラトリアム期間という位置付けで考える人たちです。将来、どういう道に行きたいかハッキリしないが、とりあえず大学に行っておこうというノリです。「波乗りタイプ」に属するでしょう。批判されがちですが、「柔軟性」という意味では、とても柔軟性のある考え方です。

そういったザックリ2つのタイプがあると仮定して、古川先生は下記のようなアドバイスをされています。何かの参考になれば幸いです。

【山登りタイプへのアドバイス】・・・
1. 理想の目標を描く。
2. 詳細なプランをつくる。
3. やるべき行動や習慣を着実にこなす。
4. 理想やプランを常に磨き上げていく。
5. こまめにPDCAサイクルを回す。

【波乗りタイプへのアドバイス】・・・
1. 目指したい方向性を持つ。
2. 先のことを考えず、目の前の事を全力でやる!
3. オープンマインドで変化を受け入れる姿勢を持つ。
4. 多くの人と会う。
5. ときにリスクをとって行動する。

古川武士氏 – PRESIDENT Online スペシャル、引用

個人的には「波乗りタイプへのアドバイス」の1番と2番に納得しました。たとえ自分が「波乗りタイプ」であろうと、ある程度の“方向性”は心に決めるべきだし、同時に目の前のジョブには全力で取り組むべきでしょう。私を含めモラトリアムな傾向のある人間にとって、とても参考になるアドバイスだと感じました。


人生を絶対に後悔しない 「やりたいこと」が見つかる3つの習慣』、古川 武士(著)、日本実業出版社、2011年

※参考資料:
パレートの法則、Wikipedia、最終更新2014年10月16日
「大学生」という期間は、もはや「モラトリアム」ではない、Hayato Ikeda – BLOGOS、2013年07月06日

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