「例えば数学の問題なら、1メートル×2メートルくらいの黒板を買ってもらって勉強部屋に置き、自分が教師になったつもりで声を出しながら解いていきました。すると、机の前では歯が立たなかった難問がフッとひらめいて解けるようになる。・・・」
※「4代続けて全員東大」鳩山家の教育方針、プレジデントFamily2013年9月号、PRESIDENT Online、2013年7月28日、引用
自分が教師になったつもりで声を出して解く
なるほど。元文部・法務大臣の鳩山邦夫氏は「自分が教師になったつもりで声を出しながら解いていきました。」という勉強法だったのですね。さすが、高校3年で「駿台模試の全国トップ」の実績です。東京教育大学附属高校(現筑波大学附属高校)で“秀才伝説”を築き上げたウラには、面白い工夫があったわけです。
でも、この「自分が教師になったつもりで声を出しながら解く」という方法。いわゆる「一人授業」のスタイルですが、ほとんど同じ方法を「なぜ・なぜ・なぜ・なぜ・なぜ5乗」で紹介した永野裕之先生も高校時代に取り入れていたそうです。東京大学に行くような秀才の方々は、皆さん同じような勉強法を採用するのでしょうか・・・。
“怪しい”方法だが効果絶大?
いわゆる「一人カラオケ」ならぬ「一人授業」は、自分がバーチャル授業の教師になり、それを架空の生徒に教えるという、ちょっと“怪しい”方法です。案の定、永野先生も母親から「あの子は大丈夫かしら」と心配されたそうです(東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法、PHP研究所、129ページ)。
ただ、この方法。「教えることが最も勉強になる」という、昔からよく言われている教育の一つのノウハウを実践しているだけです。「Learning by teaching」というのは、学術的にも認められている理論だそうで、例えば海外の教育現場でも取り入れられています。
※写真: Learning by teaching: VSHS Spanish students share lessons at Tilford Elementary、Vinton Today、2012年02月17日、引用
一般的に、①学校の授業等で勉強し(インプット)、②試験で答案を書く(アウトプット)のが、通常というかトラディショナルな学校教育の流れです。しかし、②は必ずしも試験である必要はなく、要はアウトプットであれば良いわけで、いわゆるプレゼンテーションでもOKなわけです。そう、プレゼンテーション=教師役ですね。
学生の皆さん、たとえば勉強するときは部屋にこもって、ホワイトボード(あるいは黒板、あるいは大きめの紙?)の前で、模擬授業(一人授業)を展開しましょう(かなり怪しいですが・・・)。目の前に架空の生徒がいると思って、一人授業(一人芝居?)をすることで、知識のアウトプットが行われ、その知識が深まり定着するでしょう(ちょっと恥ずかしいですが・・・)。
きっと、鳩山先生や永野先生のように、その「一人授業」が、あなたの学力を東大レベルにまで向上させるかもしれませんよ!
※参考資料: Learning by teaching、Wikipedia、最終更新2014年08月06日