国際バカロレアの重要性

バカロレア 「日本語指導可」で高まる熱
〜認定校入りへ準備大急ぎ/通常課程との両立 大変〜

海外の有力大学が入学要件の一つとする教育プログラム「国際バカロレア(IB)」の導入を目指す高校が増えている。従来は指導用言語とされていなかった日本語の使用が、大部分の科目で認められることがきっかけ。「国際的な人材を育てたい」。教育現場の機運は高まるが、各校で進む準備を通じ、教員の技術不足や通常の教育課程との両立といった課題も浮かび上がる。・・・

日本経済新聞 夕刊、2014年06月13日、引用

TOEFLと国際バカロレア(IB)

国際バカロレアですか・・・。コレは大変です。

以前、「一億総TOEFL時代」でも書きましたが、安倍政権が推し進める新・大学入試科目(?)「TOEFL」は、そもそも北米の大学・大学院に入学するための英語力試験です。TOEFLは大学でバリバリ「英語で」勉強・研究を続ける能力をチェックする非英語圏向けテストです。Test of English as a Foreign Languageですからね。

“as a Foreign Language”と銘打っていても、これは当然に私のような一般の日本人には、相当厳しい試験です。日常会話では無いですから。いや、私の場合、日常英会話も怪しいですが・・・。それはともかく、英語の“学術”論文を読みこなせるレベルを、TOEFLは問うわけです。

SpeakingとWritingが両方できる唯一のオンライン英会話スクール
「ベストティーチャー(Best Teacher)」


TOEFLと同様、この国際バカロレアも、実態として、北米の大学・英語圏の大学への入学資格みたいな側面を持っています。アメリカ、カナダ、メキシコでは国際バカロレア認定校が多く、大学受験資格として幅を利かせている。ちなみにその逆で、「バカロレア」の元祖・フランスでは「国際バカロレア」を亜流とみなし(?)、入学資格や単位認定などの特典を与えていない。やっぱり、フランス人はプライドが高いのです。

話は少し逸れましたが、実は日本の大学でもなんと254校ほど(全体の約1/3)が、国際バカロレア(IB)を入学資格として認定しています。正確には、IBのみで入学できるわけではなく、多くの大学ではIBとは別に独自の試験(入試制度)を受ける必要がありますが・・・。

まぁ細かいことはともかく、全体的な流れとして、IBはすでに日本の大学でかなり認められて来ています。少子化の影響をダイレクトに受けている日本の大学は、背に腹は代えられない諸事情もあり、次第にグローバル化(英語圏化?)にカジを切りつつあるのです。

IB取得は大変

しかし、そもそもIB取得はなかなか大変です。日本語OKになるとはいえ、日経新聞の記事でも指摘されていますが、例えば、中高一貫教育にして高校1年時に文部科学省の指導要領を終わらせるくらいにしなければ、IB取得は現実的には難しいようです。勉強漬けやな・・・。

・・・IBの11~16歳向けプログラムを既に導入している東京学芸大付属国際中等教育学校(東京・練馬)の星野あゆみ教諭が懸念するのは、IBに基づく指導と、通常の教育課程とを両立できるかどうか。

IBを学び終えても高校卒業資格は得られず、生徒が国内の大学も目指すには、文科省の学習指導要領に沿った履修が不可欠なためだ。星野教諭は「1年時に通常の課程を全て終え、残りの2年でIBを学ぶことが理想だが、よほど効率的に日々の授業をこなしていかなければ難しい」という。・・・
日本経済新聞 夕刊、2014年06月13日、引用

学習指導要領をIBに切り替える?

こりゃ、教育現場の実態も考えて、文科省も学習指導要領をIBに合わせた形で、改編すべきでしょう。フランスみたいに変なプライドは持たずに・・・。なんせ、日本は世界一のレベルで“少子高齢化”が進みつつあります。この壮大な社会的爆弾(?)を抱えているのだから、この際、妙なプライドはかなぐり捨て、既存の「学習指導要領」をIBと互換性のあるカタチに替えるべきでしょう。

IBを大胆に導入すれば(語学の問題はまた別ですが)、グローバルに通用する人材育成、すなわち英語圏でも食っていけるだけの日本人を、今後続々と排出できるかもしれない。

仲間内だけの商売の限界

日本の社会状況はなかなか厳しいものがあります。モノづくりが衰退し、貿易赤字も常態化しつつある日本の現状において、日本人はサービス業で食っていかざるをえない。人口減少・少子高齢化で、もはや日本人は日本語圏の中だけでは、サービス業を中心とした経済を活性化させることはできない。仲間内だけの商売には限界があるのです。

身もフタもない言い方ですが、カネが欲しけりゃ、グローバルに商売するしかない。インバウンド・アウトバウンド、共にね。日本に観光客を呼び寄せ(インバウンド)、AKB48は海外公演を常態化する(アウトバウンド)。適切な例ではないかもしれませんが、まぁ、こういったことができる人材を逐次輩出していくしかないでしょう。IB教育はその一助になるかもしれません。



※参考資料:
TOEFLを大学受験資格に 自民、首相に提言書、日本経済新聞、2013年04月08日
国際バカロレア、Wikipedia、最終更新2014年04月24日
貿易赤字、最大の13兆7488億円 13年度、日本経済新聞、2014年04月21日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください