※写真:タブレット授業、使い心地は 佐賀県教委が体験会開始、朝日新聞デジタル、2013年10月05日
県立全高校タブレット導入 佐賀の教育現場が大混乱
・・・古川康知事がトップダウンで押し切ったこの事業(県立高校全新入生にタブレットを購入させる)を巡り・・・佐賀の教育現場では早くも悲鳴が上がっている。県立高校の教師が嘆く。「・・・若手の先生はソフトの開発に忙殺されたり、新形態の授業の準備に時間が取られたりで、大変な思いをしたそうです」
タブレットには学習ソフトが組み込まれ、キーボードを含むセットの予定価格は7万~8万円。県から一部補助が出るとはいえ、負担は一人5万円にもなるのだ。・・・
(佐賀県多久市議会の)野北悟議員は言う。「無線LANの設置など、自宅で新たな費用がかかる可能性もあるのに、保護者への説明が不十分です。・・・トラブル時のサポート体制など、人間の力が必要な部分の支援が遅れています」
実際に一部の高校で実施した体験講座ではネットワーク回線がパンクし、対応に苦慮したという。・・・
※週刊朝日、2013年11月15日号、引用
やはり、学校現場への早急なタブレット導入はリスクが伴う。
いわく、①授業の準備が大変、②ハード+学習ソフトで割高になる、③ネットワークなどサポート体制が貧弱などなど・・・。とくに③のネットワーク回線やソフトの不具合などへのサポート体制は重要です。ここが疎かになるようでは、非常にまずい。なぜなら、ICT(情報通信技術)教育のインフラの根幹であり、現場の教師や生徒には対応できない部分だからです。
インフラ部分はキッチリ固めるべし
つまり、「えいやっ」で思い切ってタブレット導入して、あとは教師と生徒が何とか慣れればいい・・・と県知事サイドは考えているのだろうが、それは間違い。タブレットが十分に活用できるよう、電源からネットワークからソフトウェアにいたるまで、そこはキッチリ固めてスタートすべきです。
自動車を走らせる「高速道路」でも、そうでしょう。キチンと舗装されて、安全性その他キッチリ整備されていますよね。それといっしょです。ICT教育導入には、少なくてもインフラ部分は手堅くガッチリ構築すべきです。単に多額のお金(予算)をかけろ、という意味ではありませんよ。手堅いIT環境整備をしろ、という意味です。
その上で、運用部分は先生と生徒の努力してもらい、多少の費用負担増は保護者の方にも頑張ってもらう。それでやっと軌道に乗る(かどうか)。ICT教育導入には、やはりそれなりの準備とエネルギーと悪戦苦闘(?)が必要なのです。