受験というものが好きなのだ

「だが、私は基本的に、受験というものが好きなのだ。」

誰の言葉か分かります? あの「37歳中卒東大生」の著者・ひろじぃ氏です。141ページにある鮮烈な言葉です。氏は現在、生涯教育をテーマに、高卒認定試験や大学受験、各種資格試験をパスすることで、人生を再チャレンジするための “塾” を経営しています。“塾” といっても現在、Webサイト、ブログの運営や各種セミナーの開催、そして著書の執筆等になります。バーチャルな塾長兼作家といった感じでしょうか。

大検から慶應・東大へ

なんといってもひろじぃ氏の学歴がすごい。大検(大学入学資格検定・現在の高卒認定試験)から慶應大学文学部(中退)、そして東京大学文科三類(卒業)です。1971年生まれですので、現在41~42歳ですが、東大入学時は37歳です。スーパー秀才おやじです。どういう脳みそをしているのだろうと、ひたすら筆者は興味があります。

彼の場合は、やはり両親が教員だったせいか、地アタマが良い。人付き合いは比較的苦手らしいが、そのことが逆に「受験好き」にさせる要因かもしれません。受験はギャンブルに似ていて、掛け金は「時間」と「努力」と「自分の未来・可能性」であり、受験には「震えがくるほどの刺激」があるそうです(「37歳中卒東大生」142ページ)。

まぁラーメン好きが高じてラーメン屋を始める人がいるように、“受験好き” が高じて受験指南屋を始めたと言ってもいい。ノーマルな学校教育からドロップアウトした人を対象にはしていますが、ひろじぃ氏の世界も広義の受験産業の一角であると思う。そして、彼の世界はある種の「ネット塾」でしょうね。

※参考資料:
三十オヤジの東大キャンパス日記、ひろじぃ
路傍の石~大検(高認)から東大へ~、ひろじぃ
・「37歳中卒東大生」、ひろじぃ、高陵社書店、2010年
東京大学 [学部入学]入学者選抜方法等の概要、東京大学

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