電子黒板 “文化” が始まる

電子黒板。それは読んで字のごとく、デジタル化された黒板のこと。・・・その機能は「黒板に書かれた文字をプリントする」という単純なものではありません。いまどきの電子黒板はいうなれば、黒板であり、チョークであり、ノートであり、教科書そのものです。

黒板に教材を大きく表示してクラス全員で見ながら、手書きで自由に書き込みができる。定規・分度器・コンパス・世界地図といった授業に必要なツールはもちろん、音声や動画まで黒板上で同時に動かせてしまう。画面はいつでも保存・修正ができ、生徒たちへもデータを即座に配布。しかも黒板上からインターネットの検索までできちゃう・・・

実は日本は後進国!? 「電子黒板」がいま世界で急速に普及中、小学館ファミリーネットニュース、2011年12月01日

ホコリをかぶる “優れモノ” 電子黒板

電子黒板、恐るべし。近年は文部科学省や自治体の予算措置もあり、各学校に一台づつ置いてあると言われる電子黒板ですが、ご多聞に漏れず、ホコリをかぶって視聴覚室の奥に閉まってあると聞きます。これは実にもったいない話です。精通すれば非常に使い勝手のいい電子黒板。ぜひ有効活用してほしいと思います。

しかし、なまじすごいパワーを秘めている電子黒板なので、学校にあるその1台を利用すると、そのクラスの児童・生徒だけが恩恵を受ける。これはこれで大問題です。公共教育の公平性が保たれません。そこで電子黒板などに詳しい教育関係者は、全クラス(最低でも学年別)に設置する必要があるという。安倍晋三総理、よろしくお願い致します。

板書文化は消滅?

やはり電子黒板の最大のメリットは、カラー画像やイラストで視覚的にわかりやすい授業ができることです。ビジュアル授業とで言いましょうか。また、画面に直接書き込みできるので、先生が学習の重要点を強調することも容易で、さらに、先生と生徒との協働(?)授業も可能です。

まとめてみると電子黒板のメリットは大きく3つです。

①生徒の目線・視線が上がるというか、電子黒板に集中しやすい。電子黒板のプリントアウト機能により、「板書を手書きでノートに写す」必要がないので、授業そのものへの集中力がアップしやすい。
②やはり、カラー画像によるビジュアライゼーション(可視化)は、子供の右脳にストレートに入っていく。
③電子黒板は書き込み自由など、情報加工が容易で、それが先生と生徒の共同作業を可能にする。

こうなってくると「授業」というより「パネルディスカッション」という感じでしょうか。教師というより、インストラクター&ファシリテーターに近い。ファミリーネットニュースの飯田陽子さんも言っています。

・・・「書き写して覚えさせる」というこれまでの板書文化を、「書き写させずに引きつける」という電子黒板文化へシフトしていくためには、学ぶ側よりもむしろ、教える側の意識改革が必要になりそうです。

※参考資料:
トレンド予測“ハイテク教育の黎明期”… ICT機器がもたらす教育改革、RBB TODAY、2013年10月01日
デジタル教科書 熊本の小中8校で導入、YOMIURI ONLINE(読売新聞)、2013年10月01日

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