家で動画見て予習、「反転授業」試行へ 佐賀・武雄市
佐賀県武雄市教育委員会は小中学生全員に1台ずつ配るタブレット端末で、「反転授業」に取り組む方針を決めた。子どもは授業の動画を入れた端末を持ち帰り、家で宿題として予習。実際の授業ではわからない点を教え合ったり、議論しながら応用問題を解いたりし、学力の定着を目指す。・・・
※朝日新聞デジタル、2013年09月24日、引用・リンク
反転授業は、「自宅」でネット塾ならぬネット授業を視聴し、「学校」で応用問題や議論をしましょう・・・という学習スタイルです。従来の「宿題」を学校でやるわけです。だから「反転学習」とも言われる。米国では近年注目を集め、サルマン・カーン氏率いるカーンアカデミーが有名です。
日本でも慶応義塾大学・東京工科大学講師の中村太戯留(タギル)氏が、反転授業の研究に関して第一人者です。
武雄市の樋渡市長の大改革?
しかし、政府というか行政である自治体(佐賀県武雄市)が、「反転授業」に直接タッチするのは日本では最初のケースで、世界でもかなりレアなケースしょう。
この武雄市の樋渡(ひわたし)市長は、非常に行政改革に意欲的で、市民病院や市図書館の民間移譲を断行しました。とくに “TSUTAYA化” した市図書館は有名で、いまや観光地(?)にもなりつつあります。公立図書館なのに、本の購入やCD・DVDの有料レンタルでき、おまけにスターバックスのコーヒーも飲めます。カフェ気分で読書も可能です。完全に日本の公立図書館のイメージを一新しました。
そして、全国初の自治体肝いりの “反転授業” 実験(?)です。武雄市では2010年度から一人一台のタブレット導入は既に行っていますから、①教育ICTでのハードウェア整備に引き続き、②今回は運用面・ソフト面での改革です。反対派もいるでしょうから、多少なりとも「成果」を期待したいですね。
※参考資料:
・家で動画見て予習、「反転授業」試行へ 佐賀・武雄市、朝日新聞デジタル、2013年09月24日
・マイクロソフトと大阪府教育委員会、ネット塾ジャーナル、2013年03月29日
・シリコンヴァレーのエリートたちが転職したがる、注目の教育NPO「カーン・アカデミー」、WIRED.jp、2012年06月29日
・カーンアカデミー、Wikipedia、最終更新2013年09月10日
・スキル習得型の学習における反転授業の活用法の検討、2012年度日本認知科学会第29回大会
・KAKEN – 中村 太戯留(80409797)、National Institute of Informatics
・中村太戯留 / Tagiru Nakamura、Creative Lab.
・反転授業、Wikipedia、最終更新2013年08月22日
・武雄市図書館、Wikipedia、最終更新2013年09月23日
・樋渡啓祐、Wikipedia、最終更新2013年09月09日