以前、「センター試験廃止へ」でも書きましたが、代わって創設される「到達度テスト」(仮称)に賛否両論が噴出していますね。賛成者いわく、①一発試験より2~3発試験の方が、本来の学力が正確に反映されやすいし、②高校生活でコンスタントに勉強する習慣がつく。反対意見は、①生徒と高校側の負担が増え、②試験関連の手間やコストも増え、役人の天下り先が潤うだけ・・・という辛らつなもの。
SAT(大学進学適性試験)を参考に
まぁ、アメリカのSAT(大学進学適性試験)を参考にしているらしい。SATの場合、年に7回実施され、繰り返し受験可能。まるで、TOEICみたいです。ちなみに、TOEIC公開テストは年10回実施されます。
個人的意見です。まず「到達度テスト」を年3回ほど実施して、軌道に乗ったら、年6回に増やす。夏場と冬場を除けば、だいたい年6回実施できる。個人的には、ぜひ実施してほしい。一発勝負は(人生において?)それはそれで必要でしょうが、大学受験は分散化させたほうがいい。
背景には、受験テクニック等の氾濫で、一般的な高校生が腰を落ち着けて日常的に勉強しなくなってきているそうです。
ベネッセ教育開発センターの調査によれば、高校生の学校外における平日の学習時間はここ数年、大きく減少。特に偏差値50~55の中間層=ボリュームゾーンが、90年の112.1分から、06年には60.3分へと、半分近くに落ちてしまった。
※東洋経済オンライン、2013年07月05日、リンク
この状況を改善する一案として、例えば今のセンター試験の簡易版を毎月やるプランは、ありだと思う。生徒は複数受験した中で一番良いスコアを大学側に提出し、大学側は必要に応じて2次試験(面接や小論文なども含む)を課せばいい。
生徒側は変なプレッシャーから解放
毎月のテストでは生徒や高校側の負担が重過ぎるというが、一番高いスコアを採用するだけなので、一回だけの受験でもOK。ほぼ毎月チャンスがあるので精神的に楽だし、慣れてくれば生徒も教師も変なプレッシャーから解放される。
試験の手間やコスト面ですが、SATやTOEICなども参考に比較的低予算で実施できると思います。例えば、TOEFLに至っては “月” に3~4回も実施しています。ネットは発達した今の世の中、工夫すれば、昔に比べればはるかに低予算で全国共通テストを実施できると思います。
年一回の「センター試験」を廃止して、月一回の「到達度テスト」に切り替える。つまりハッキリ言ってしまえば、「センター試験」を毎月やるわけです。毎月受験の “機会” があるわけで、生徒も先生も過剰なプレッシャーから解放され、生徒はコンスタントに勉強習慣を持ち、必要に応じ学力はキッチリ測られ、結果として大学生の学力レベルも落ちない。
飛び級も認める?
「成績上位の生徒は1回受ければよく、学校に来る必要がなくなるかもしれない」(東洋経済オンライン、2013年07月05日、リンク)・・・という心配(?)もあるが、それはそれで良しとしましょう。優秀な生徒は1年くらい早く、大学入学を認めてもOKでしょう。
1~2年間の飛び級くらいは認めましょう。従来の「出るくいは打たれる」や「悪平等主義」は、老いた少子高齢化ジャパンには似つかわしくありません。国を引っ張る優秀な人材には、誰に遠慮することなく存分に力を発揮してもらう。そのことが未来の日本国をドライブする上で必要不可欠だからです。
※参考資料:
・【教育動向】センター試験「廃止」は本当か 渡辺敦司、MSN産経ニュース、2013年06月27日
・5年後廃止?大学センター試験見直しの裏側、東洋経済オンライン、2013年07月05日
・大学入試センター試験、廃止が検討される、スラッシュドット・ジャパン、2013年06月07日
・SAT (大学進学適性試験)、Wikipedia、最終更新2013年03月25日
・TOEICテスト|公開テスト申込まで|試験日程と受験地、国際ビジネスコミュニケーション協会
・TOEFL(R)(TOEFL iBT(R)について)、アゴス・ジャパン
・受験料,費用・テスト日・会場 | TOEFLテスト | TOEFLテスト日本事務局、CIEE Japan
・センター試験廃止へ、ネット塾ジャーナル、2013年06月06日