タブレットは新たな文具


※「広尾学園 中学校 高等学校」Webサイトよりリンク

私物iPadで学力を伸ばした中高一貫校、「タブレットは新たな文具」

広尾学園 中学校・高等学校(広尾学園)では、中学校1、2年生の大多数と高等学校1~3年生の一部生徒が、授業をはじめとする学校生活でiPadを活用している。生徒の英語の語彙力向上や教員の校務負荷の緩和といった明確な効果も現れ始めた。・・・
※TechTargetジャパン スマートモバイル、2013年06月14日、引用

学校消滅の危機・・・

学校教育のIT化、ネット化は徐々に進んでいます。その一例が、この広尾学園。実は広尾学園(旧順心女子学園)、1990年代半ばから生徒が集まらず、2005年度には全校生徒数513人と、適正人数の3分の1にまで落ち込んだ。ここまでくると当然、経営破たん・学校消滅が視野に入る。

そこで、共学化や校名変更、そしてiPad導入と、矢継ぎ早に改革を断行。今や東京都内でも有数の人気校になっています。なんと都内の中学受験生数が3年連続トップに。すごい。

生徒の私物としてiPadを使ってもらう

iPad導入に関して、1年間の検証後、2012年度からiPad本格導入。中学課程の全生徒を対象にした(帰国子女向けコースを除く)。特徴的なのは、貸与ではなく生徒の私物として(私物端末の活用・BYOD)iPadを使ってもらう形態です。

なんと入学条件にiPad購入が含まれ、生徒側は制服などと同様、指定したiPadを購入する形をとります。もちろん、iPadには任意でのアプリケーションのインストール禁止、といった設定は課しています。

iPad購入は学校側のコスト削減という意味もあるが、それ以上に「学校からの貸与にすると、活用の幅が狭まってしまうのではないか」(広尾学園の金子暁・教務開発部統括部長)とのこと。

授業だけでなく、クラブ活動や家庭学習その他を含めた学園生活全般にわたり、iPad活用を想定している。「文房具や制服と同じで、自分のものとして利用してもらってこそ、iPadの活用が広がると考えた」そうです(金子氏)。なるほど。

iPad活用による影響

iPad活用によるメリット・影響は以下の通りです。

① 「圧倒的な知識を持った教員がいて、生徒がその知識を授けてもらうという、140年間変わらなかった教育現場が変わるかもしれないと考えた」(金子氏)。いわゆる、「反転学習」も想定しているようです。

② 目先の効果として、英単語の習得度が向上した。書籍のみの学習が58点で、書籍とiPadアプリを併用した学習が74点。すき間時間を利用し、ゲーム感覚で英単語習得がしやすいそうです。

③ 広尾学園独自のテキストを提供しているが、「教員にとっては負荷が大きかった」そうです。印刷のために相当な負荷がかかっていました。「高校2年生用では500~600ページに及ぶ」そうです(金子氏)。PDF化し、iPadへ配信することで、「配信の直前まで作り込むことができ、教員に余裕ができた」。

④ 授業以外での変化も。例えば、学級委員の生徒がGoogle Sitesを活用、合宿のバスの座席割り調整を自主的に始めたそうです。

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まだ導入1年ちょっとですが、すでにこれだけの成果が上がっています。今後の広尾学園のIT化・ネット化教育の実践に期待したいですね。

※参考資料: 
TechTargetジャパン スマートモバイル、ITmedia、アイティメディア株式会社、2013年06月14日
マイクロソフトと大阪府教育委員会、ネット塾ジャーナル、 2013年03月29日

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