数学のほんとうの使い道

「中学・高校数学のほんとうの使い道」(京極一樹著)を読みました。というか、ざっと目を通しました。なぜなら文系の私にはちょっとハードルが高かった・・・というのが正直な感想です。しかし、「なぜ勉強するの?」と聞く子供の質問に答えるためにも、とりもなおさず目を通さなければならない。「数学とは、いったい何のために学ぶのでしょうか。」と著者の京極一樹さんもおっしゃっています。

京極さんもこの本の「はじめに」で、認めています。世間では、数学嫌いの人々が多いことを。
「どうしてこんな「しちめんどくさい」ものを勉強しなければならないのか」「こんなもの社会では何の役にも立たないのに」というのが(彼らの)本音でしょう・・・」と看破しています。

しかし現実社会で数学は大活躍しています。ざっと本書を読んだだけでも、下記が上げられます。

・[三角比]測れない距離を測る。たとえば、漁船など船位の測定。
・[三角関数]ビリヤードの変化球が生じるしくみ。直流発電機、交流発電機のしくみ。
・[指数・対数]銀行預金の増加。人口増加(世界人口や中印の人口)。地震とマグニチュード。
・[二次方程式]土地購入の問題。
・[二次関数]投手が投げるボールは球場を飛び出すか? ボールはスタンドを越せるか?
・[微分・積分]スキー、スケート、カーリングの運動原理。高速道路のカーブの形状。
・[確率]トランプ、麻雀、ギャンブル。

「何の役に立つのかわからない」なんて全くのウソですね。科学知識が要求される仕事はもとより、スポーツや産業関連、そして金融などお金がらみも目立ちます。例えば、金融=数学だということ。もし「金融」に疎ければ、豊かな生活を続けるのもやはり難しいでしょう。つまり、数学に強い人は、お金に関しても強い “素地” を持つわけです。

中学では少し早いかもしれませんが、高校やネット塾(インターネット学習塾・オンライン予備校)で、例えば、数学と金融経済との密接な関係をもっと説いてもいいのではないでしょうか。そういえば、マネックス証券の松本大社長が「実は私は数学が得意」(主旨)みたいな話をテレビでしていました。「金融工学」なんて、まさに数学そのものでしょう。数学と金融、すなわちお金は、とても密接な関係にあるわけです。

※参考資料:
ちょっとわかればこんなに役に立つ 中学・高校数学のほんとうの使い道 (じっぴコンパクト新書 76)、京極一樹著、2011
松本大 – Wikipedia、最終更新2013年03月06日
金融工学 – Wikipedia、最終更新2012年01月23日

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