大学が世界で活躍できるグローバル人材の育成を一斉に強化する。日本経済新聞社が主要大学の学長(理事長)を対象に実施したアンケート調査によると、回答者の半数近くが10年後に学内からの海外留学生数が3割以上増えると予想していることが分かった。海外からの留学生も3分の1が3割以上の増加を見込む。
産業界などの人材ニーズに応えるため、世界に開かれた教育を巡る競争が激化しそうだ。・・・
※日本経済新聞、2013年09月29日、引用
なんとこの記事に「グローバル」が4個、「世界」が2個、「海外」にいたっては10個も出ていました。産業界のグローバル化へのニーズは非常に高い。よって、大学のグローバル化への取り組みにも熱が入ります。
産業界の熱い要請
ご存知の通り、TPP(環太平洋パートナーシップ)を見据えて、いやTPPがあろうと無かろうと、日本の産業界はかつてないほど海外供給の確保と海外市場の開拓に力を入れています。
例えば投資家の目が厳しい株式市場でも、(業界にもよりますが)海外に弱い会社はおおむね低評価で、逆に国際展開に強い会社は注目されます。あるいは、教育産業のようなドメスティックな展開しか考えていなかった業界の例でも、海外展開が出てきました。当然、多くの企業が優秀なグローバル人材を採用したい。今や、「売り上げ・利益」や「株価」に直結するからです。
それに呼応するかのように、アベノミクスを標ぼうする安倍晋三政権も、留学や外国人教員の拡大などに力を入れ、成長戦略の一つの柱にしています。安倍さんも良い意味で、機を見るに敏だからね。Buy my Abenomics!
大学グローバル化は起死回生の策
少子化で学生が集まらず、国などからの補助金など大学予算も減らされ、正直に経営が厳しい大学も多い。「私立大学の場合で現在、4割が赤字」(日本経済新聞、2013年09月30日、引用)だそうです(※)。実はあの天下の東京大学(東大)でさえ、財政難が表面化しています。
東大でさえ運営資金に困っている。これは濱田純一総長も認めています(※)。大学予算の状況は非常に厳しい。各大学が “教育産業” として生き残るためには、“ネット塾” 的な電子化努力の他に、履修科目等の国際化・グローバル化は避けて通れない。大学グローバル化は起死回生の策なのです。
※参考資料:
・日本経済新聞、2013年09月30日
・[総長室から]明日の日本を支えるために―教育研究の危機を越えて―、東京大学
・東大の焦りと頑張り、ネット塾ジャーナル、2013年07月25日