(指原莉乃スピーチ引用)・・・グループには可愛いコがたくさんいます。今年はこんなに自分に自信のない指原が1位になることができました。全国の自分に自信のない皆さん、私のようにいじめられて引きこもりになって親に迷惑をたくさん掛けてしまったみなさん。陽の当たっていない皆さん、私はもう一度1位になることができました。奇跡の1回ではなく、自分で1年頑張ってきたことを評価されての1位だと信じています。
私は落ちこぼれです。選ばれた人間ではありません。全国の落ちこぼれの皆さん。私の1位をどうか自信に変えてください。・・・
※さしこ スピーチ全文「私と同じ落ちこぼれの皆さんの自信になれば」、Sponichi Annex、2015年06月06日、引用
現代のジャパニーズドリーム
いや〜、毎年恒例になった感のあるAKB総選挙(AKB48 41stシングル選抜総選挙)ですが、今回は(今回も?)ちょっと感動しました。そう、AKBグループの指原莉乃さんって、引きこもりだったんですね。本人の口から出て、びっくりしました。
学校でいじめられて、引きこもって、「ハロヲタ」やって、モーニング娘のコンサートにも何度か行ったとか・・・(『逆転力 ~ピンチを待て~ (講談社 MOOK)』、29ページ)。そう、彼女はアイドルである前に、“アイドルオタク” なんです。
それが今では、自身が日本最高峰のアイドルグループのセンター(=No.1)になってしまった。なんというか、これは完全にある種のジャパニーズドリーム。どん底からトップに上り詰める。月並みですがそういったストーリーです。
1位から80位まで順位付け
ちなみにこのAKB総選挙、1位から80位まで順位付けするわけで、精神的にも過酷な “制度” です。受験戦争が激しかった1980年代の進学校でも、ここまで明確に生徒の成績を順位づけする学校はほとんど無かったと思う。
でも、今この “順位付け” という手法が再評価され、教育現場の置いてランキング付けは、やりようによっては教育効果が高いと言われています。いじめや過度の劣等感につながらない配慮は必要ですが、最近では教育現場でのランキング形式の指導は決してタブーではない。
現に例えば知り合いの子供の高校・体育大会で、全クラスの順位をきっちりスコアリングして、大会の最後に発表していました。これが結構効いたのか、このランキング発表形式にしてから、生徒たちの体育大会に対する意気込みが違ってきたそうです。以前はかなりダラダラな大会だったのが、相当締まった感じの盛り上がる大会になったらしい。
フェアーでわかりやすい偏差値
大学受験などで使われる「偏差値」も、まさにランキングを表す統計学的な手法です。これに関しては、私は以前から基本的に問題ないと思っています。全然OKだと思う。そもそも偏差値自体はフェアーでわかりやすい基準であり、自分の学力が全体のどのあたりに位置するのか、判断しやすいからです。
つまり大学受験で言えば、高校に通っている普通の高校生でも、予備校の浪人生でも、通信教育の学生でも、林修先生みたいに勉強好きで高校の科目をドンドン勉強している “小中学生” でも、はては働きながら勉強している大学進学希望の “社会人” でも、あらゆる境遇の人が「偏差値」という共通の土俵で大学受験に取り組むことができる。
むろん大学受験の偏差値は “合格者” の学力を模擬試験の結果から抽出(フィードバック)しているデータの集積に過ぎず、必ずしも入学試験をパスする完璧な指標ではない。あくまで合格のための “目安” に過ぎません。それでもビリギャルよろしく、時に偏差値にまつわる話が人々に感動を与えるのは、フェアーでわかりやすい共通の指数であるからだと思います。
ちなみに、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』=ビリギャルが注目を集めたので、もしかして秋元康さんと指原さんは『落ちこぼれギャルが10年後でAKB48の女王奪還劇を演じた話』=落ちギャル(?)をプロデュースするかもしれませんね(笑)。
※参考資料:
・指原莉乃、Wikipedia、最終更新2015年06月06日
・さしこ2年ぶり女王返り咲き/AKB総選挙詳細、日刊スポーツ、2015年06月07日
・8月26日発売となるAKB48、41stシングルのセンターは指原莉乃、TOWER RECORDS ONLINE、 2015年06月06日
・学力偏差値、Wikipedia、最終更新2015年05月16日
逆転力 ~ピンチを待て~ (講談社 MOOK)、2014年