日本社会の “職人気質”

・・・日本に現在でも根強く残る、「職人文化」が影響しているのではないかと思うのである。職人の教育というのは、決して学校だけで学べるものではない。むしろ、実社会に出てからこそ、学ぶべきものだったのである。だからこそ、寺子屋で読み書きそろばんの基本を習った後は、丁稚にでもなって奉公をして、親方とか兄弟子の仕事っぷりを見ながら、あとは見様見真似で学ぶ。

日本は低学歴社会??山口真由オフィシャルブログ、2016年01月18日

東大首席卒の元財務省官僚にしてスーパーエリート弁護士である山口真由さんですが、現在、米国のハーバード・ロー・スクール(HLS)に留学されています。一体どこまで勉強するんだ!という感じですが、彼女の(意外と謙虚な)ブログが面白い。

日本は低学歴社会?

「日本は低学歴社会??」というタイトルですが、内容をかいつまんで言えば、①日本は歴史が長いので「職人気質」が強く、学校で基礎的な知識・ノウハウを習得したら、さっさと社会に出て現場で学べという空気がある。対して②米国は英国の産業革命の影響からか「産業主義的発想」が強く、学校でモノになるまで学問や技術等を習得したら、卒業後すぐにその学んだものを社会に還元せよ・・・という感じでしょうか。

上記の日米比較は山口さんのブログを読んだ後の、私の解釈です。歴史が比較的長い日本は、無意識のうちに「職人』的発想で、教育システムや仕事・社会構造を作り上げている。つまり仕事をする上で、学校制度に依存する色合いが少なく、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)で職業訓練を施している。

米国の大学は職能教育?

対する米国は、工場での大量生産を基本モデルとして、人間を部品のように(失礼!)職能別に分けて、例えば「株主」「経営陣」「従業員」とざっくり分けた後、細かく仕事別に「担当者」枠をあてがう。大学など学校システムもその「担当者」枠を十分に意識した教育プログラムを組み、卒業したら即「担当者』になれることを志向する。

日本人から見たら、米国の学校ではOJT的なカリキュラムが充実しているように見える。わかりやすい例が、主に大学生を対象にした「インターンシップ」制度だが、一応これは “職場体験の大学教育プログラム” とされている(大学インターンの場合)。

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まぁ日本の場合、職場に学校出たての新人さんが来たら、とりあえず「イチからちゃんと教えてやろう」的なノリがあるが、たぶん米国ではそういった手取り足取り教えるという風土が薄い。両国の歴史的経緯や社会文化が背景にあるので、一概のどちらが良いとは言い切れないが、教育や仕事において日本は日本のやり方(=職人文化)を大切にすればいいのではないでしょうか。

※参考資料:
ハーバード・ロー・スクール、Wikipedia、最終更新2016年01月16日
OJT、Wikipedia、最終更新2015年04月22日
インターンシップ、Wikipedia、最終更新2015年10月07日
ギルド、Wikipedia、最終更新2015年11月27日


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