グーグル流人材活用と教育

 インターンシップ [DVD]、20世紀フォックスHEジャパン、2015年

・・・バルーンといっても、普通の風船ではない。ソーラー発電や通信設備を搭載したハイテク巨大バルーンだ。これを、アフリカの奥地の上空に飛ばせば、アンテナを設置するだけでその家はインターネットが使えるようになる。これまでにもう1万個のバルーンが上げられているという。

「風船でインターネットをつなげましょう」などと言えば、普通の会社ではその人は頭がおかしくなったと思われるだろう。しかしグーグルでは、それがアイデアとして評価され、実現のためにチームが力を発揮する。・・・『The Internship』という、グーグルが採用のために行うインターンシップをテーマにした映画でも、同社が人材の多様性を非常に重んじていることがわかる。・・・

グーグル流人材活用の秘密 他人の10倍稼ぐ、伝説のコンサルタントが教えるビジネスの法則、PRESIDENT Online、2014年02月20日

「ネットとテレビの融合」

昔、ホリエモン(堀江貴文氏)がライブドア社の社長時代に、「ネットとテレビの融合」などと叫んで、フジテレビ買収を “画策” したことがありました。残念ながら、様々なエスタブリッシュメント(既得権益勢力)からのバッシングもあり、失敗に終わりましたが、これなんかも上記記事の「風船でインターネットをつなげましょう」という話とつながりますね。

今もそうですが、特にこれからの時代はそういった柔軟性と多様性が大事になります。人材教育・学校教育でも同じ。「受験サプリ」でも東大卒・教育改革実践家の藤原和博さんが言っていますが、教育の眼目は「ジグソーパズルからレゴ®ブロックへ」※2という方向で変わった、ということです。

ジグソーパズルには正解があった

昔は経済社会において(一応)ジグソーパズルのように完成図≒正解がありました。それに向けて、いかに効率よく正確に早く到達するか、が肝要でした。学校教育でも、ジグソーパズルを早く正確に解く練習ばかりが重視されました。

しかし、今は「完成図≒正解」がない時代です。戦後70年、日本社会も成熟してきたので、社会インフラとしての「部品」はハードもソフトもかなり整備されています。レゴ®ブロックでいう1個1個のブロックは割りときちんとしています。

しかし、ジグソーパズルでいう完成図がない。ブロックを組み合わせて、独自の新しい何かを作らなければならない。上記のグーグル記事で言えば、「ソーラー発電や通信設備を搭載したハイテク巨大バルーン」というハードや「インターネット」というソフトウェアのインフラはあるが、大切なのはそれら個々のブロックを組み合わせるアイデアだ。

「風船でインターネットをつなげましょう」という一見突拍子もないアイデアが重要なのである。

レゴブロックで創造する

学校教育現場でも、教師が「えっ?」と思うような、でも「実に興味深い」アイデアを生徒が発想したとして、それをいい意味で助長する仕組みを備えるべきでしょう。ある意味、教師は福山雅治さん演じるあの “湯川学准教授”(ガリレオ [DVD])のようになるべきです。

基礎的な科目はしっかり学習し、既存の「レゴブロック」は理解つつ、そのブロックを組み合わせて、驚くべき新しい創造物を作る。そういう児童・生徒・学生たちを大切にする教育が、これからは必要です。いわゆる創造性のある教育とは、「空想的」いや「妄想的な教育」(?)でもあるのかもしれませんぞ。

※参考資料:
『ネットとテレビの融合』と『テレビとネットの融合』は全くの別物です、長谷川豊、2014年04月18日
ジグソーパズルvsレゴ®ブロック、ネット塾ジャーナル、2015年06月15日、※2
ガリレオ (テレビドラマ)、Wikipedia、最終更新 2015年12月01日

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