ジグソーパズルvsレゴ®ブロック

・・・成長社会の時代に求められていたのは、1秒でも早く“正解”にたどりつくため「情報処理力」だった。たとえるならこれは、ジグソーパズルを完成させるときの力だ。何百というピースがバラバラになったジグソーパズル。そのパッケージには、「完成したらこうなるよ」という絵が描かれている。つまり最初から“正解”が与えられているわけだ。・・・

一方、成熟社会に“正解”はない・・・たとえるならこれは、レゴ®ブロックを組み立てるような力といえるだろう。・・・100人の人がつくったら、100通りの犬ができあがるはずだ。こうやってレゴブロックを組み立てていくような力のことを、ぼくは「情報編集力」と呼んでいるんだ。・・・

読み書きソロバンの「次」の力【たった一度の人生を変える勉強をしよう】、大学受験を応援する無料コンテンツ満載【受験サプリ】、2015年06月15日、引用

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ジグソーパズルとレゴ®ブロックか〜。目から鱗が落ちました。わかりやすい。さすが東大卒・教育改革実践家の藤原和博さん。かつてのジグソーパズルの時代を経て、今はレゴブロックの時代なのです。世の中がそう変遷しているのだから、当然に教育プログラムも同じ傾向を持つわけだ。

昔は「正解」があった

昔はネットも携帯電話もなかった。スマホもタブレットもなかった。マスメディアによる情報の一方的な拡散はともかく、ネットによる情報の相互リンクなんて夢のまた夢の社会環境です。前世紀は今に比べれば遥かに、情報の固定化が激しかった。ビジネスモデルもしかり。儲かる商売の方法なんて、パターンが決まっていた。

「正解」があったので、その正解にいかに早く速く効率的にたどり着くか、が勝負の分かれ目だった。いまは情報の流動化が激しい。儲かるパターンも様々で、時間とともに変動も大きい。栄枯盛衰が早いというか、まさに諸行無常の響きあり、です。

いまや「正解」とされる(藤原さんの言う) “ジグソーパズル” も時間とともにたくさん市場に出てきて、どのジグソーパズルを選び出すか、あるいはいくつもあるジグソーパズル同士をいかにうまく組み立てるか、あるいはいっそのこと全く新しいジグソーパズルを作り出すか、という世の中の流れになっています。

新しい物を作ろう

教育シーンを考えると、大きな教室で一人の先生が大多数の生徒に講義をするのは、「正解」の正しい解き方を教える “ジグソーパズル・スタイル”。それに対し、大学のゼミナールのごとく、あるいは陶芸教室よろしく、何かテーマに沿ってモノ作りをするような工房スタイル(ワークショップ)は “レゴブロック・スタイル”。新しい「正解」をどんどん創作していくには、後者が適しているでしょう。

受験サプリのようなネット塾系のオンライン予備校そのものはジグソーパズル的ではありますが、大学入学後はレゴ®ブロック的に切り替えてほしいという思いもひしひしと感じます。受験サプリの講師陣もそのことを意識してか、雑談ではかなり現代のサイバー社会・グローバル経済を意識した話もしています。

また、話題の「反転授業」では、家庭学習では主にジグソーパズル教育を受け、学校ではワークショップやディスカッションでレゴブロックをどんどん作る感じです。頭はフルに回転して多少大変かもしれませんが、学生もそのほうが楽しいし、身に付くという感覚ですね。たとえば早稲田大学のアクティブラーニングはそのことを示しています。


※参考資料:
藤原和博、Wikipedia、最終更新2015年05月20日
ワークショップ、Wikipedia、最終更新2015年03月07日

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