啐啄同時


「そっ啄同時」(そったくどうじ:「そつ」は口へんに「卒」)という言葉がある。禅における四文字熟語だ。・・・

「そつ」はヒナが内側から卵の殻をつつくこと。「たく」は親鳥が卵の外側からつつくことを言い表していて、親子のタイミングが合わさってはじめてヒナが生まれてくることを表していると聞いた。ヒナは自分のくちばしで殻を少しずつつつき、親鳥はヒナのペースに合わせて外側から殻をつついてやって生まれてくる。

親鳥が焦って、先に殻をつついてしまっては殻を破ってしまうのでヒナは上手く生まれない、このように親は「先走り」をしないように注意して子どもを育てないといけないという忠告で使われることが多い言葉である。・・・
「子を怒ってばかりの母親」5つの特徴と、結末、PRESIDENT Online スペシャル、2015年05月16日、引用

「そっ啄同時」は「啐啄同時」と書くようです。この記事を読んで、頭をガ~ンと殴られた気がしました。自分の子どもにも “ああしろ、こうしろ” とうるさい小言オヤジになったり、逆に、完全放任主義っぽくなったり・・・私には「そっ啄同時」の精神が足りなかったのかもしれません。

プロ野球の指導者でも、例えば王貞治さんや落合博満さんもその著書で、「選手に教え過ぎてはダメだ」みたいな話をしていました。プロ野球の監督・コーチは、①まず選手自身に考えさせ、②聞いてきたらコーチングし、③最後は選手自身の中で消化させる、という手順を意識しているようです。

まさに、「そっ啄同時」の精神ですね。プロ野球の世界とは若干違いますが、それでもやはり初等教育・中等教育や子育てでは、子どもたちをじっと観察し、タイミングよく指導や助言を行う。これが理想の姿でしょう。

もちろん、生命や財産に大きくかかわることは、時に強引に教え込む必要はあります。“交通安全指導” などはまさにその典型でしょう。でも、そういった緊急かつ重要な事柄を除けば、「そっ啄同時」の精神を常に心に忍ばせ、親や先生は子どもたちを教育すべきなのでしょうね。

※参考資料: No. 671 【啐啄同時】 そったくどうじ、今日の四字熟語、福島みんなのNEWS

  

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