高学歴ワーキングプアを打破する

「高学歴であればあるほど損をする」女性の雇用環境

「’13年の時点で、博士課程で学ぶ女性の比率33%に対し、専任教員の女性比率は22%。国立大学だけで見ると10%台前半。構造的に女性のほうが不安定な非常勤職に追いやられやすいんです」(水月氏)

早稲田大学大学院、人文系博士課程を経て現在複数の大学で非常勤講師を務める鈴本美津子さん(仮名・36歳)もその一人。

「90分1コマ8000円と聞くと割がいいように聞こえるかもしれないけど、準備や試験の採点も込みで、資料代なんてもちろん出ない。それで週3コマ持ったって月10万円弱ですよ。ほかの書き物仕事を合わせたって手取り20万円になるかどうか……。そもそも修士も博士も奨学金で通っていたから、学費分の借金も500万円近い」

Yahoo!ニュース、週刊SPA!、2015年04月11日配信、引用

う〜ん。不安定な非常勤職に追いやられやすい・・・か。

そもそも、少子高齢化・人口減少もあって、大学は学生を確保しにくくなり、大学の教員の需要もあまり無いのだろうね。あと、インターネットの普及で大学・大学院に “在る” 学術系の情報が、誰でも割りと簡単にゲットできるから、本質的な意味でも博士課程の価値が下落しているのでしょう。

でもせっかく高度な勉強をしてきたのだから、大学院で学んできた方々がその知識や能力を発揮でき、うまくマネタイズできる受け皿・ノウハウがほしい。実にもったいない。ニッチかもしれないが、必ず需要はあるので、(上から目線で恐縮ですが)彼ら自身も注意深く “市場” を見る目を持ってほしいとも思います。

高学歴で独立

たぶん専門を活かすには、研究室や企業に就職するだけでなく、ネットを使って自分をアピールし、直接収入やスポンサー収入を得る「高学歴で独立」パターンもあると思う。その際、池上彰さんよろしく、分かりやすく伝える技術が決め手になる気がする。

例えば、売れっ子教育学者の齋藤孝さんは、その分かりやすい語り口を武器に、多くの著書やメディアを通じ、いわゆる「齋藤メソッド」の普及に力を注いでいます。齋藤メソッドの特徴は①教育論、②ビジネス論、③身体論の三位一体だと私は思いますが、言い換えれば、従来の教育学にビジネス理論や身体文化論を加味した新しい面白さ(?)にあります。

 身体感覚を取り戻す―腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス)

語学・IT・ファイナンス

また、「高学歴で独立」パターンに限りませんが、基本的にある程度、大前研一先生よろしく「語学・IT・ファイナンス」のノウハウを駆使することも重要でしょう。

これから例えば人文系博士課程を経て “食っていこう” と思うなら、単なる書き物仕事だけでなく、語学やITを駆使して英語ブログや英語YouTubeを出し続けるとか、事業に自信があればクラウドファンディングを組むとか、やり方はいくらでもあると思う。まぁ、最初は手軽にシュフティなどクラウドソーシングサイトでライティングの仕事などから始めてもいいかもしれない。


いずれにせよ、なんらかの実力のある「非常勤講師」であれば、視野を広く保ちつつ(俯瞰力ですね)、ちょっとしたマネタイズの工夫も加えつつ、地道に頑張っていれば、必ずや活躍の場はあるだろうし、なければ自分で作ればいいと思います。

※参考資料:
chikumaonline、文系大学院残酷物語博士篇、2011年12月14日
齋藤孝 (教育学者)、Wikipedia、最終更新2015年04月07日
クラウドファンディング、Wikipedia、最終更新2015年02月26日
完璧な勉強法はない、ネット塾ジャーナル、2015年03月25日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください