「名門校」は単なる進学校と何が違うのか
・・・名門校に限らず、最初から「受験勉強だけをさせればいい」と思っている学校はほとんど存在しない。どんな学校でも基本的には教養主義や人格教育を旨としている。しかし大学進学実績を残さないと、優秀な生徒が集まらないので、まずは大学進学実績を安定させることに注力する。・・・
すでに実績が出ている学校はそこを強調しなくていいので、結果的に教養主義や人格教育を打ち出せる。・・・大学入試を、あくまでも通過点として、余力を残してクリアしていく。それが学校の文化として「当たり前」になっていく。・・・
名門校の「当たり前」の中には、長い年月をかけて磨き上げられてきた教育理念、鍛え上げられてきた生きる力、積み上げられてきた成功体験が、「折りたたまれている」。その門をくぐった者には、それらが丸ごとインストールされる。生徒たちは当たり前に振る舞っているだけなのに、その学校の「らしさ」を体現していく。・・・
名門校の教育はたしかにすばらしい。しかし、みんなが名門校に行く必要はない。社会全体が、名門校のような空気で、子供たちを包み込んであげればいいのだ。
※PRESIDENT Online スペシャル、おおた としまさ氏、2015年03月07日、引用
「名門校」は教養主義・人格教育
この記事、感動しませんか? のっけから押し付けがましい書き方ですみません。いわゆる開成、灘、麻布、武蔵、筑駒といった中学・高校の「名門校」を分析しています。名門校は東京大学を始め一流大学への多くの進学実績を残しているわけですが、教育内容は意外にも自由にして教養主義・人格教育を旨としています。いわゆる受験予備校とは一線を画しています。
先輩から脈々と受け継がれた「教養主義」や「人格教育」といった伝統が、「学校の文化」として自然に定着し、その学校「らしさ」を体現しています。思うに、まさに名門校が持つ「空気」が、生徒たちを優れた人格者に育てていくといえます。決して“ガリ勉学校”ではないのです。
文化・らしさ・空気、すなわち「雰囲気」が大切
そう、言い換えれば、ここで大切なのは「雰囲気作り」です。まさに、前回投稿した“大切なのは「雰囲気作り」”が、いわゆる「名門校」では息づいている。そう思いました。自分の記事を自画自賛するようで恐縮ですが、教育において「雰囲気」がいかに大切か、このおおた としまさ氏の記事で再確認した次第です。
「社会全体が、名門校のような空気で、子供たちを包み込んであげればいいのだ。」(PRESIDENT Online スペシャル、引用)
・・・なるほど。理想主義的ではありますが、もし日本の社会全体が名門校のような雰囲気になれば、子どもたちへの教育にも優れて影響を与えるでしょう。大いに同感です。
※参考資料: 大切なのは「雰囲気作り」、ネット塾ジャーナル、2015年03月08日