「整数次倍音」の秘密

タモリ、黒柳徹子を人気司会者にした「整数次倍音」の秘密


・・・倍音とはある音が鳴ったときに共鳴したり、付随して出てくる音のこと。・・・タモリさんの声はどのようなタイプなのでしょう。そもそも倍音には大きく、整数次倍音と非整数次倍音の2種類があります。このうち整数次倍音とは2分の1、3分の1、4分の1という整数の波長を持つ音のこと。対して、非整数次倍音の波長は不規則で、ギターの弦をこすったときのギーッという音とか、雨、風の音、虫の鳴き声など自然の音もこれに括られます。・・・

この整数次倍音の声は、聞く人に荘厳さや神々しさ、カリスマ性を感じさせます。・・・「笑っていいとも!」の司会を始めてからは、番組上で若手タレントと絡み、友達のように気さくに話をする。親しみやすく身近な存在と映るようになったのです。とはいえ、声には依然カリスマ性がある。どこか神秘的なその2面性が視聴者の心を引きつけ、毎日テレビに出ていても飽きられることがないのです。

「徹子の部屋」の司会者、黒柳徹子さんにも同じことが言えます。彼女の声も整数次倍音が強く、耳にすると背筋を正してしまうような印象があります。それに反して、語り口は軽妙で内容もユニーク。相手の話もよく聞きます。そうした相反する要素が視聴者の興味を引き、長寿番組を支えてきたのです。・・・
PRESIDENT 2012年7月16日号、PRESIDENT Online、2013年05月01日、引用

これはなかなか参考になります。「整数次倍音」はキチッとしっかりした感じの声で、正しく聞こえ、カリスマ性があります。広い意味で、良くも悪くも“上から目線”の声と言えます。対する「非整数次倍音」は広く自然界にある音と同じで、雑に聞こえると同時に、親しみを覚えます。良くも悪くも“軽く見られる”声と言えます。

教育現場でも使えるノウハウ

この2つの音(声)の性質を知れば、教育現場でも使えるノウハウかもしれません。教員の仕事は、まずは児童・生徒との人間関係が重要で、教職員間や教育委員会、保護者や地域住民など、様々な人間模様の中で進みます。もちろん、「教える」行為自体が「情報伝達」であります。つまり、教育という活動自体が広くコミュニケーションそのものなのです。


※図表: PRESIDENT 2012年7月16日号、PRESIDENT Online、2013年05月01日、引用

教員の仕事は、やはり人対人のコミュニケーションが多くを占めます。したがって、この「整数次倍音・非整数次倍音」の法則、すなわち「倍音の法則」はかなり“使える”(!)と思います。たとえば、自分の声の質が整数次倍音であれば、もうすでにカリスマ性があるので、言動は親しみやすい路線で行けばいいし、逆に非整数次倍音であれば、子どもたちに舐められないよう、言動に気をつけることに注視すべきでしょう。

ネット塾系では、動画などはあくまで教育ツールという教材の一つなので、講師の声が整数次倍音ならカリスマ性を全面に、非整数次倍音なら親しみやすさをアピールすれば良いと思う。eラーニング系ではストレートに意識していけばいいのかなぁ、と思います。なぜなら、タモリさんや黒柳徹子さんのように全国民に好かれる必要はないからね。


あの人の声は、なぜ伝わるのか、中村明一(著)、幻冬舎、2013年

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