若手社員の退職と社会教育



若手社員の退職 6割が3年以内に

初めて勤務した会社を辞めた若手社員の6割が3年以内に退職している実態が、厚生労働省が9月25日に発表した「若年者雇用実態調査」で判明した。・・・

会社を辞めた理由と比較すると、賃金条件よりもワークライフバランスを考えた働き方を重視した「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」、仕事の内容ややりがいを意識した「自分の技能・能力が活かせる会社にかわりたい」「仕事が自分にあった会社にかわりたい」が上位に入っている。

また、「将来性のある会社にかわりたい」という理由も多く、企業は社員に対しビジョンや経営戦略を理解させていく必要があることがうかがえる結果となっている。・・・
日本人材ニュース、2014年10月15日、引用

石の上にも三年

「石の上にも三年」なんてことわざがありますが、今どきの若手社員は「6割が3年以内に」退職してしまうらしい。これは問題です。やっぱり、一つの仕事(会社)に3年以上取り組まないと、なかなか成果や手応えは出にくいでしょう。仕事内容にもよるでしょうが。

とはいえ、逆に3年やって全く芽が出そうに無ければ、キッパリ見切りをつけるのも有りでしょう。人間、向き不向きはありますから。確かにあんまりだらだら人生を浪費するのも、得策ではない。オリンピックやワールドカップ(サッカー)も4年スパンだし、3~4年でその仕事がモノになりそうかどうか、見極めるべきかもしれない。

さすがに日本で、6割の若手社員が初めての会社を3年以内に退職・転職する、というのはちょっと多い気がします。逆にこの割合が1割とかだったら、ちょっと少な過ぎ。絶対合わない仕事を社会的制約がきつ過ぎて我慢に我慢を重ねているシーンが思い浮かびます。したがって、グローバル化した経済下で、2割から4割くらいが転退職の適正割合かなぁ、とも思う。

もちろん若手社員の退職問題は、労使双方の問題でもあります。多過ぎても少な過ぎても経営・経済全体の課題でしょう。あるいは、社会・教育問題とも関連してきます。

互換性と専門性

そういう状況、すなわち、若手社員の転退職が増えている現状を鑑みると、通常の学校教育にプラスして社会教育(社会人教育)の重要性も感じます。若手社員が会社を辞めるのは自由ですが、その後、別の仕事で「食っていく」必要があるからね。

この社会で(ある程度)好きな仕事をやっていくには、適切な教育を自らに課す必要がある。①社会の需要に合った人材になるための「互換性」を磨く教育と、②実際の仕事をする中で自らのポジションを確立するべく「専門性」を磨く教育。この2つの教育が必要です。大前研一さんが「T型」とか「ゲタ型」とか言っていた考え方です。

サイバー社会で求められる人間は「T型」または「ゲタ型」である。つまり、常識的な知識を持ったうえで、1つか2つの特定分野について深い専門知識を身につけた人間である。・・・
サラリーマン・リカバリー―会社から自分の人生を取り戻せ、60ページ、大前研一著、引用

学校教育はどちらかといえば①の互換性(常識的な知識)を重視している。それに対し、社会教育は②の専門性を軸に展開しています。学習ビデオオンデマンドの「manebi(マネビ)」やビデオ講義ネットスクール「N-Academy」などは、やはりビジネス系なので専門性のある講座が多い。社会人向けだから、当然といえば当然なのです。





現在、そして今後も人材の流動性は高まるでしょう。サイバー社会でグローバル経済だから、仕方が無い。世の中、競争が激しいというか、仕事をする上での「前提」自体がころころ変わりうるからです。相撲を取る「土俵」が、ある日突然「リング」(?)に替わるようなことが、起こりうるのです。

そういう環境変化もあり、若手社員の退職・転職が多くなるのも、ある意味いたしかたない。社会全体、すなわち時代を反映している面もあります。であるがゆえに、様々な角度からの教育、特に仕事をしながらでも受けられるネット塾系のインターネット教育に注目が集まるのです。

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