秀英予備校が「iD予備校」へ

秀英予備校が17校閉鎖・統合 2015年3月末で

静岡県を中心に学習塾を展開する秀英予備校は30日、7道県にある小中学生向けの17校舎を2015年3月末で閉鎖・統合すると発表した。全校舎数(9月末時点)の約1割に相当する。生徒の減少や同業との競争激化などで採算が悪化しており、不採算の校舎を整理する。・・・

校舎の閉鎖などに伴い2014年4~9月期に4億5600万円の特別損失を計上する。15年3月期通期の最終損益は7000万円の黒字を計画しているが、赤字に転落する公算が大きい。・・・最近は配信した授業の映像を見ながら学習する「iD予備校」への校舎の転換を進めている。フランチャイズチェーン展開も広げる方針だ。

日本経済新聞 電子版、2014年09月30日、引用

代ゼミに続き秀英予備校も

大手予備校の代々木ゼミナール(高宮学園)に続き、秀英予備校も校舎閉鎖を伴うリストラに着手します。校舎の7割超閉鎖という“代ゼミ・ショック”は、少なからず社会に衝撃をもたらしました。いや、正確には筆者のような40~50歳代の中高年おじさん世代にとって、衝撃が大きかったということです。代ゼミで屈折した(?)青春を謳歌した人も多かったからね。

秀英予備校の閉鎖・統合報道に関し、それほどの衝撃を持って人々が受け止めるわけではありません。しかし、“ネット塾”をウォッチしている者からすると、「秀英iD予備校」で一世を風靡している秀英予備校が苦境に立っているのは、とても意外な感じです。秀英iD予備校はオーソドックスなコンテンツで、全般的に品質も高く、ファンも多いからです。“ネット塾業界”でもなかなか際立っているといえます。

1977年にスタートした秀英予備校は、今年で創業37年を迎えます。通常の学習塾・予備校としては老舗とは言い切れないかもしれませんが、ネットに力を入れる予備校としては、間違いなく老舗でしょう。リアルな予備校の教育ノウハウを、うまくネットに移行している印象があります。

風雲急を告げる予備校業界

しかし、現実は厳しいですね。おそらく、秀英予備校が想定している以上に、少子化で生徒の減少が進み、同時に世間全般で学習塾・予備校コンテンツのネットへの移行も進んでいる。環境変化に、秀英予備校といえども追いついていない。あるいは言い方を変えれば、予備校経営のまさに過渡期であり、財務諸表的には利益を出しにくい時期にある。そういった状況でしょう。

現在、秀英予備校は校舎数250強、生徒数3万人強で、小中学生向けを強みにしています。しかし日経新聞の記事にもありますように、今後は直営の予備校スタイルを改め、得意の映像コンテンツ等を利用したフランチャイズ展開にも力を入れていくそうです。時代の流れは風雲急を告げています。

※参考資料:
投資家情報IR、学習塾・予備校の秀英予備校、Web SHUEI
不採算校舎の撤退・移転及び特別損失の計上に関するお知らせ、株式会社秀英予備校、2014年9月30日

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