YouTubeの「視聴者ファンディング」、日本でスタート
YouTubeのクリエイターは「視聴者ファンディング」機能を有効にすることで、Googleウォレットでの“投げ銭”を受けとれるようになった。日本ではYouTubeが手数料として寄付1回当たり22円+5%を徴収する。・・・
クリエイターが視聴者ファンディングを有効にしている場合、動画の端にハートマーク付きコインを模したアイコンが表示される。これをクリックすると表示されるカードの指示に従って操作することで任意の金額を支払える。決済にはGoogleウォレットを使用する。
・・・視聴者からの寄付の一部はYouTubeが手数料として徴収する。日本の場合は1回の寄付に当たり、22円+5%をYouTubeが徴収する。例えば100円寄付すると27円の手数料が掛かり、クリエイターが受け取るのは73円になる。
※ITmedia ニュース、2014年09月02日、引用
YouTube上で広告収入+“投げ銭”
おお~、これは大きい。以前からインターネット全般で“投げ銭”機能が出てくる、とは言われていました。しかし、メジャーであるYouTubeがそのサービスを開始するとは・・・。既にある広告収入と相まって、クリエイターにとってYouTubeでの収益確保の道がぐっと広がりますね。
この「視聴者ファンディング」も、広い意味でクラウドファンディングの一つです。Googleウォレットで決済するらしいので、しっかりした“決済プラットフォーム”がこのサービスの“胆”だと思う。他にも決済プラットフォームがしっかりしているYahoo!など、Google以外の大手ネット業者にも広がるでしょう。
よくYouTubeなど動画サービスは、広告をかませてお金が動くので、テレビの「民放モデル」と言われていました。しかし、クラウドファンディングが絡んでくると、徐々に「NHKモデル」に近づいてきます。NHKはCMスポンサーを持たず、その代わりに、大多数の国民(視聴者)から、受信料を取る。広く浅く(深く?)お金を集めるので、NHKの経営は非常に安定しています。
クリエイターに強い味方
今回のYouTubeの“投げ銭”は、NHKの受信料モデルに比べれば、はるかに脆弱な収益モデルです。しかし、それでも従来の「広告収入モデル」にプラスして実行されれば、かなりクリエイターにとって強い味方になります。少なくても理論上、民放テレビ局より強固な収益構造になるのですから。
それに、商売上手なクリエイターなら、よりNHK的な「月額視聴料」システムに誘導するでしょう。個別指導を何らかの形で提供するとかしてね。そうなると、相当に業務量が膨大になるので、単なるクリエイターとは別のノウハウが必要になるでしょうが・・・。
個人でネット塾
いずれにせよ、YouTubeの「視聴者ファンディング」のスタートで、おそらく将来的には、個人でネット塾を始める先生方が出てくるでしょう。いや、今でも頑張っておられるネット塾ユーチューバー(?)はいます。「とある男が授業をしてみた」は代表的な先生ですね。素晴らしいです。
非常にわかりやすい動画なので、私なんか、これはかなわない(自分には真似できない)・・・と思ってしまいました。アカデミックな知識とコミュニケーション能力、両方とも優れています。実力ある若い先生が、ちょっとITを駆使すると、優れた“講座”が出来上がる。とても分かりやすい事例です。
教職はつぶしがきく(!)
よく、「教職はつぶしがきかない」などと昔から言われていました。しかし、こと動画の世界では、「教職はつぶしがきく」となります。YouTubeのようなIT技術が、先生方の潜在能力を開花させたわけです。ホリエモン(堀江貴文氏)がよく言う、「技術」が「社会」を変える典型だと思う。
今まで以上に、今後、我をと思う尖った教師たちや腕に自身のある講師たちが、どんどん面白い(?)動画をYouTubeにアップするでしょう。もしかしたら、来年には退職した代ゼミの講師陣も、大挙してユーチューバーになるかもしれない。言ってみれば、これからプチ私的MOOC(大規模公開オンライン講座)が量産されるわけです。
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※参考資料:
・クラウドファンディング、Wikipedia、最終更新2014年08月13日
・NHK受信料の窓口、NHKオンライン
・Massive open online course、Wikipedia、最終更新2014年04月16日