英語以外も視野に

グローバル化 英語以外も視野に

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・・・一部の学校を除き、子どもが英語以外の外国語を学ぶ機会が乏しい。・・・外国語学習には個人ごとに「相性」があります。英語は苦手だけど中国語は得意という人はたくさんいます。「英語教育に力を入れているのに日本人は英語が苦手」と言われますが、「相性」を無視して英語ばかり教え、英語嫌いを増やしているのも一因だと思います。

・・・世界には約200の国・地域があり、英語が通じない場所が広がっている。「グローバル化」は本来、こうした世界の多様性を理解すること。そのためにも、外国語学習は必要です。私が所属する日本言語政策学会は、高校での第2外国語の必修化を提案しています。・・・最初に学ぶ外国語が英語である必然性はない。・・・

※筑波大教授(ロシア語学)、臼山利信さん、朝日新聞、2014年07月30日

さすが、ロシア語研究では第一人者の臼山利信先生です。上記の記事で2つのことを訴えています。
① 語学には「相性」があるので、英語がダメでも他言語でリカバリーできる教育体制にしよう。
② 外国語学習を通じ、世界の多様性を理解することが大切だ。

う~ん、なるほど。ちなみに、Wikipediaを見ると「普段話されている言語の人口順位」という情報があります。意外なことに、英語は世界第3位なんだよね。

1位 中国語 12億1300万人
2位 スペイン語 3億2900万人
3位 英語 3億2800万人
4位 アラビア語 2億2100万人
5位 ヒンディー語 1億8200万人
6位 ベンガル語 1億8100万人
7位 ポルトガル語 1億7800万人
8位 ロシア語 1億4400万人
9位 日本語 1億2200万人
10位 ドイツ語 9030万人
言語、Wikipedia、最終更新2014年07月26日、引用

このランキングを見る限り、外国語学習にはやはり上位3言語が妥当かなぁ・・・。すなわち、「中国語」、「スペイン語」、「英語」です。さらに私見ですが、日本と地理的に近いということを考慮すると、8位の「ロシア語」を加えても良いかとも思います。そうなると、ロシア語学の臼山教授も喜びそうですが・・・。

教員が足りないが、まずは中国語で

もちろん、現状では教える教員が圧倒的に足りないでしょう。しかし、文部科学省や教育委員会が本腰を入れれば、まずは「中国語」あたりが第2外国語の筆頭でしょう。地理的にも歴史的にも文化的にも経済的にも、日本と中華圏(中国、台湾、香港、マカオ、シンガポール)との関係は深い。真面目に取り組めば、教員と教材を揃えることも可能だと思う。

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政治的に問題があるのなら、日本とは比較的中立的なイギリス連邦のシンガポールを意識して、シンガポールの公用語である英語と標準中国語(北京語)を、日本の教育プログラムに組み込む考え方もある。シンガポールを真似して、とりあえずシンガポール流の標準中国語を学ぶことを考えても良いでしょう。

できればスペイン語も加えたい

個人的意見では、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に日本が加入するならば、チリやペルー、メキシコなど中南米諸国を意識して、世界第2位の「スペイン語」の教育にも力を注ぐべきと考えます。また、従来の「英語」教育も、英語の圧倒的な“国際的地位”を考えると、やはり重要です。

聞き流すだけの他言語教材「トライリンガルシリーズ」。同時学習の相乗効果で2ヵ国語を楽にマス…

ロシア語も入れたいが、あんまり欲張ってもうまくいかない。したがって、世界の言語人口ランキングの上位3言語である中国語、スペイン語、英語を重点的に、近未来の日本の中等教育プログラムに入れるべきでしょう。文部科学省も教育委員会も議会も、前向きに検討してほしい課題だと思います。

ちなみに個人的意見ですが、日本人にとって「英語」の発音とスペリング(綴り)は難しいけれど、「スペイン語」はかなり楽です。スペイン語は男性名詞やら女性名詞やら文法的には少し大変ですが、包括的に見て、たぶん多くの日本人にとって学びやすいと思います。

※参考資料:
言語、Wikipedia、最終更新2014年07月26日
シンガポール、Wikipedia、最終更新2014年07月31日
英語、Wikipedia、最終更新2014年07月31日
中等教育、Wikipedia、最終更新2013年04月15日
文部科学省、Wikipedia、最終更新2014年07月18日
教育委員会、Wikipedia、最終更新2014年03月01日
スペイン語、Wikipedia、最終更新2014年06月30日
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