自学自習(独習)のすすめ


「自分から勉強できる子」に育てることは可能か?
ビッグデータ分析によるeラーニング革命


※写真: 田中知美・合同会社エッジ代表。カリフォルニア工科大学ポスドク、アリゾナ州立大学助教授、慶応義塾大学特任准教授など米ハワイ大学経済学科博士課程修了。・・・

・・・従来の学習塾に比べ、eラーニング学習塾には以下のような利点がある。
第1に、それぞれの生徒の理解度にあわせたレベルで学習指導ができるため、理解が遅れている生徒も気後れすることなく学習に取り組める。・・・

第2に、学習時間と学習場所に自由度があり、自宅からオンラインの教材にアクセスして学習することができる。したがってやる気のある生徒は自宅での学習時間を増やし、どんどん先に進んでより難しい課題に取り組むことができる。

第3に、個々の生徒の学習行動や成績のデータがすぐ得られるため、教師はつまずいている生徒に早期に気づくことができ、それらの生徒に対するタイムリーな個別指導が可能となる。
第4に、個々の生徒の学習行動や成績のデータを分析することで教材の内容が改良でき、個々の生徒のレベルに教材の難易度を自動調整することも可能である。・・・

日経ビジネスオンライン、2013年10月07日、引用

eラーニングは自由度が高い

やはりeラーニング教育はメリット満載です。上記でも4つのアドバンテージを挙げています。この4つとも、“ユーザー(生徒)の学習自由度が高い”というところから来ています。それに、生徒個人の学習履歴から、素早くその生徒に合った“処方箋”が出る点も見逃せません。きめの細かい学習指導と言ってもいいでしょう。学習意欲の高い生徒には、非常にやりがいのある学習スタイルです。

もちろん、問題もあり、最大のデメリットは“強制力の欠如”でしょう。いつの時代でも、どうしても「勉強は辛いもの」という要素は拭いきれず、田中さんの記事でも出ていましたが、生徒の「自己管理(self control)、意欲(incentives)、習慣性(habit formation)」に頼らざるを得ません。

リアルな学校のメリット

リアルな学校(スクール)の場合、この“強制力”があります。仮に生徒の「自己管理・意欲・習慣性」が不十分でも、無理やりにでも学校に通い、授業を受けることで、最低限の学習実績と学習効果が期待できます。結果的に「自己管理」や「意欲」はともかく、学習の「習慣性」はある程度身に付く。ここが従来の学校および授業の最大のメリットです。

ただし逆の見方もあります。そもそも「自己管理・意欲・習慣性」というのは、言わずもがな、人生の成功において非常に重要な要素です。自由度の高いeラーニング教育では、この3要素が(ある程度)備わっていないと、勉強を進めることができません。逆説的ですが、eラーニングに取り組むことは、自然と「自己管理・意欲・習慣性」を育むことにもつながります。

もちろん、勉強・学習という行為には辛い部分があるので、eラーニングでは生徒の一部はドロップアウトするかもしれません。ドロップアウトを阻止して、形だけでも授業を受けさせ、最低限の学習効果を狙う・・・という教育の考え方もあるでしょう。リアルなスクールの方が、ドロップアウトを阻止するという意味では、より効果的でしょう。「現実的」と言ってもいいかもしれません。

自己管理などのマインドセット

しかし、もしeラーニング系で学習を進めることに成功すれば、結果として教育カリキュラムの知識だけでなく、「自己管理・意欲・習慣性」といった社会に出てから成功するための重要なマインドセットを得ることができます。これは大きい。このあたりの生徒の自己管理や自主性に関し、例えば那覇市で数学塾を経営する中村智治先生も、その重要性を強調されています。

・・・教師が多くの授業を行うことで、学力が向上するのではない。生徒が予習や復習で自学している時に、学力を伸ばしているのである。必要以上の授業や学校の拘束は、学力向上ではなく妨げになるのだ。生徒の自主性をも奪う。・・・

私も・・・小さな数学塾を経営している。生徒の自主性を重んじ学力を伸ばすことに成功しているので紹介したい。公立学校の二倍以上のペースで生徒は学んでいるが、授業は週に一度の二時間しか行わない。

からくりは宿題だ。生徒は自ら時間を工面し、6時間程の宿題を終えてから授業に臨む。授業では、自由な発言が許され、多くの時間は質問に費やされる。最後に確認のテストを行う。私は厳しく管理しないが、宿題を忘れる生徒はいない。生徒が学ぶ空間を演出することが、私の仕事である。

生徒は、勉強から学問だけでなく、自己管理や自主性を身に着けることができる。必要以上の学校の拘束は、子供たちの可能性を奪う。・・・
琉球新法・論壇、2011年04月27日、那覇市・数学塾経営・中村智治、教育館「オレの数学」、引用

中村先生いわく、彼の数学塾では①授業は少なく、②宿題(予習・復習)は多く、③質疑応答で多くの時間を費やし、④確認テストもある。最大のポイントは②の「宿題」であり、それはすなわち予習・復習でもあります。つまりは、自学自習(独習)に積極的に取り組むことになります。

そう。“独習”といえば、学習効果を上げる最も重要なファクターは「独習」であると、テレビドラマのドラゴン桜(TBS系)でも桜木建二弁護士が言っていたっけ。


良い教師に付いて、正しく学ぶ。それが最速にして最善の方法だと、世の中の大半の連中は思っている。だがよ。一つだけ、独りで学ぶ“独習”にかなわない部分がある。それはな、“密度”だ。勉強に打ち込む時間の濃さだ。孤独ゆえに濃く、そして濃いがゆえに強い。・・・

Dragon Zakura Episode 10、alexinesymphony、YouTube、引用

中村先生も桜木弁護士も、生徒は自学・独習している時に学力を伸ばしている、と看破しています。生徒が自主的に勉強するのが重要で効果もあり、これからの教員の役割はあくまで「生徒が学ぶ空間を演出すること」かもしれません。

言い換えれば、「“教える人”から“ファシリテーター”へ」の転換ともいえるでしょう。ファシリテーターとしての資質が教員にも求められるわけです。先生も大変です。もちろん、その前提としてこういった考え方自体が、教育界全体に浸透される必要がありますが・・・。

※参考資料: “悩める先生”を支え抜く、ネット塾ジャーナル、2014年04月24日

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