「ああ、あの芸能人、面白いよね~。」なんて会話、誰もがすると思います。が、筆者のように50歳に近付くと、名前が出てきません。もう、先日も「ツレがうつになりまして。 スタンダード・エディション [DVD]」を見ていたら、俳優の堺雅人さんと堤真一さんの名前とイメージがごっちゃになってしまって・・・。情けないやら恥ずかしいやら。家族からは「倍返しどころか、人生オワタ!」と呟かれるし・・・。
とにかく年齢を重ねると、人の名前を始め、記憶力がドドッと低下傾向になります。綾小路きみまろさんではありませんが、「言った事は忘れ、言おうとした事まで忘れ、忘れた事も忘れました」状態です。「あれ、何をしようとしていたんだっけ?」が口癖の今日この頃です。トホホ・・・。
脳細胞死滅のダメージは小さい
なんでもヒトの脳では、20歳を過ぎた頃から毎日10万もの脳細胞(ニューロン)が死んでいるそうです。一日10万(!)と驚くべき数字です。この脳細胞の減少が、主に記憶力の減少につながっています。しかし、脳細胞全体では一説には約1000億個あるので、一生で失う脳細胞数は20億超としても2~3%といったところでしょうか。数量的には、ニューロン死滅のダメージは大したこと無い。
さらに、そもそも記憶力は加齢とはあまり関係ないという話もあります。例えば、円周率記憶の世界記録保持者は原口さんという日本人ですが、御年68歳(記録達成は60歳頃)です。なんと、2006年に100,000桁の暗記を達成したそうです。途方もなくすごい。超人的な記憶力です。
脳内の検索能力は低下
また、NHKの生活科学番組『ためしてガッテン』でも、高齢者の記憶力をテーマにしたところ、高齢者の記憶力は低下していませんでした。なんと番組内の実験では、「覚える力」は20代も60代以上もほとんど同じでした。「歳を取れば記憶力は低下する」という“思い込み”(先入観)が、結果として記憶力を低下させているのです。
ただし、記憶力には①「覚える力」と②「思い出す力」の2種類があります。上記の通り、①「覚える力」では加齢の影響は無い(少ない)。しかるに、②「思い出す力」において、加齢の影響はあります。残念ながら、この②「思い出す力」は年齢を経るにしたがって衰えます。いうなれば、脳内の“検索能力”が低下するわけです。
「場所細胞」で記憶力アップ
そこで『ためしてガッテン』では、「場所細胞」という海馬の中に多くある細胞を使ったテクニックを紹介しています。
「場所」を使って覚えれば、確実に思い出せる!
記憶の達人たち・・・は、頭の中に自分がよく通る道や自分の部屋などに覚えたいモノを一つずつ置くことで覚えていたのです。じつは、場所細胞は、その名の通り場所の記憶に特化した細胞で、自分が行った場所を次々と覚えていきます。
生物は、えさのありかや巣に帰るといった重要な情報を忘れないために、この場所細胞を発達させてきた、と考えられるのです。自分がよく知っているルート上の場所と覚えたいモノを関連づけて覚えれば、その場所を頭の中でたどるだけで自動的に思い出すことができるのです。・・・
※脳若返り!魔法の呪文 記憶力で東大生に勝つ、ためしてガッテン、NHK、2013年10月23日、引用
う~ん、なるほど。「えさのありか」を記憶する「場所細胞」の活用ですか。ちょっと斬新というか、でもわかりやすいノウハウです。これは、あの司法試験のカリスマ講師・伊藤真さんも提唱するエピソード記憶を活用したひとつの手法だと思います。いずれにせよこの記憶テクニック、活用したいものです。「場所細胞」で記憶力アップです。
ネット塾とエピソード記憶
そして、この“場所細胞”記憶術ですが、ネット塾などのオンライン教育にも転用できそうです。オンライン教育(例えばスマイルゼミや受験サプリ)では、動画やCG(コンピュータグラフィックス)等が多用されています。このような具体的でイメージしやすい教材は、それ自体がエピソード記憶になりやすく、「場所細胞」とも結び付けやすいでしょう。
そう考えると、若い生徒さんはもとより、年齢を重ねた中高年の方々にも、オンライン教育は受け入れられやすい。優れたeラーニング教材はエピソード記憶となり、脳内の海馬に入りやすいといえます。学校でも職場でも家庭でも、eラーニング(オンライン教育)は重要な学習機会になるでしょう。
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※参考資料:
・円周率、Wikipedia、最終更新2014年03月30日
・原口證、Wikipedia、最終更新2013年04月15日
・エピソード記憶、Wikipedia、最終更新2013年04月08日
・暗記学習による高齢者の記憶改善 – 五感プロデュース研究所!、2007年01月16日
・1日1食で寿命が延びる!? 参院選候補者医師が薦める少食生活、ダ・ヴィンチニュース、2013年07月17日
・物忘れを防ぐ!脳を鍛える生活術|ヘルスケア情報|eo健康、2012年11月15日
・「覚えられない」は年齢のせいじゃない!記憶力の真実 | 太陽笑顔fufufu..net、2011年12月