反転授業、そしてグループ討議の効果

ついに、というか、やはり、というか、北海道の北星学園女子中学高等学校が反転授業を開始したそうです。教材には、実績あるオンライン学習教材「すらら」を利用。いよいよ中等教育の現場で“反転学習”が始まりました。


北海道初!北星学園女子中学高等学校が反転授業を開始
~従来の授業内容は自宅で、学校は個人の理解度に合わせた応用問題や協働学習の場に~

・・・この度、オンライン学習教材「すらら」を導入いただいている、北星学園女子中学高等学校(所在地:北海道札幌市中央区、校長:浅里愼也)が、北海道内の私立学校では初となる反転授業を12月10日より開始します。

北星学園女子中学高等学校の反転授業は下記形態で、中学3年生の1クラスで実施します。
1.家庭(または放課後の情報室)で、オンライン学習教材「すらら」を利用し、教科書を予習
2.授業の始めに、予習時の疑問点を確認、追加説明を行う
3.授業内で、通常宿題等で行っている問題や応用問題への取組みや、グループ討議・発表といった学び合いを実施
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※PR TIMES、エキサイトニュース、2013年12月03日、引用

習得ベースの学習

なんでも、家庭では「すらら」で基礎学習を進め、教室では個人の理解度に合わせた応用問題等に取り組ませる。それにより生徒個々人の理解を深め、知識を身に付けさせるようです。これは、Blended Learningにおける重要なファクター「Mastery-Based」(習得ベースでの学習)を地で行くような話ですね。

それにより、生徒の内面におけるモチベーションを向上させ、結果として学習量を増やし、学習の質も改善させる。これが可能だと、北星学園女子中学高等学校および教材を提供している株式会社すららネットは考えているようです。

学び合いの効果

また、さらにグループ討議など生徒同士や教師を含めた相互の“学び合い”の効果が、実は非常に高いのではないか、とも考えています。生徒からみると「主体性」を発揮する必要があり、これは単にカリキュラムの学習効果が高いだけでなく、将来的な生徒の“財産”となるべき資質を備えるでしょう。

スティーブン・R・コヴィー博士の著名な成功法則『7つの習慣』(完訳 7つの習慣 人格主義の回復)でも、まず第1の習慣として「主体性を発揮する」と述べています。「主体性」は人格形成にとって最も重要な側面なのです。特にグローバル化が進むニッポンにおいては、なおさら重要です。

ネット塾的なオンライン教材を利用する反転学習・反転授業は、生徒個々人の表面的な学習効果をアップさせるだけでなく、グループ討議などに展開することで、生徒の主体性・自主性を育む可能性が高い。一般的に日本人にやや欠けていると言われるその「主体性」ですが、今後このような教育現場の取り組みで改善されるのであれば、実に素晴らしく、(地味ながらも)画期的なことだと思います。