IBM、生徒個別カリキュラムを予測

IBM、今後5年間で人々の生活を変える5つのイノベーションを発表

IBMは12月18日、今後5年間で人々の働き方、生活、関わり方を変える可能性を持った一連のイノベーションを発表した。今後5年間であらゆるものが学習する時代になるという。・・・

教育分野について、Barro-Leeの調査によると、世界全体でほぼ3人に2人の成人が高校に相当する教育を受けていない。IBMは将来、幼稚園から高校、さらには就職まで、一人ひとりに合ったカリキュラムを提供できるようになると予測。・・・つまづきを予測し、生徒が個々の学習スタイルで課題克服できるようになるという。

・・・米国のグィネット郡公立学校で、生徒の学習傾向の類似性を見いだし、成績と学習上のニーズを予測することによって、具体的な内容と効果的な指導方法を調整し、同学区の17万人の生徒一人ひとりの成績を改善させようとしている。
リセマム、2013年12月20日、引用

PersonalizedとMastery-Based

さすがIBM。的確な予想というか未来指針ですね。「Blended Learning」の記事でも書きましたが、この「一人ひとりに合ったカリキュラム」は実現可能です。教育ICTにおいてPersonalized(個別指導)とMastery-Based(習得ベースでの学習)は重要な概念で、まさにIBMが指摘する “個別カリキュラム” です。

ちなみに、オンラインの大学講座であるMOOCsの一つ、Courseraで開講された「Blended Learning」では、下記4つが重要だと説いていました。

1) Personalized(個別指導)
2) Mastery-Based(習得ベースでの学習)
3) High Expectations(高い学習効果)
4) Student Ownership(生徒の主体性を重視)


つまづきを予測

そして、さらにすばらしいのが、「つまづきを予測し、課題克服できる」という部分。これはビッグデータ解析で培われたICTノウハウも寄与するでしょう。従来、優れた教師が長年の経験や膨大な知識から、生徒のつまづきを事前予測し、適切な指導をしてきたわけです。例えば、東進ハイスクールの林修先生は、大げさに言えば、東大在学中の家庭教師時代には、ほぼ瞬時に生徒の学習状態を把握し、どこでつまづくか予測できたそうです。

それを今や、ビッグデータ解析技術や人工知能的なアプローチで、コンピューターが生徒のつまづきを予想し、課題克服につなげる。こういったことも可能になるだろうとのことです。

IBM、そしてGoogle

正直に言うと、このあたりの教育に関するノウハウは、もしかしたらIBMよりGoogleのほうが優れているかもしれません。「IT化が進みつつある教育現場(3)」で紹介したように、現在クロームブック(Chromebooks)を採用する学校が世界中で増加しています。Googleは単なるハードウェア企業ではないので、教育現場から様々なデータを抽出し、分析しているでしょう。

いずれにせよ、今後の教育ICTの進展には期待が持てますね。


※参考資料:
Chromebooks for Education、ネット塾ジャーナル、2013年10月20日
ブレンド型学習、Wikipedia、最終更新2013年08月1日
今後5年間で人々の生活を変える5つのイノベーションを発表、IBM – Japan、プレスリリース、2013年12月18日

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