※地球村時代の経営管理―分けることから補い合うことへの道筋、海老沢栄一著、文眞堂、2005年
韓国の現代自社長、「海外工場の視察で自尊心がズタズタになった」
・・・尹社長(尹甲漢・現代自動車社長)は11月18日から23日まで幹部らとともにロシア・サンクトペテルブルクと東欧のチェコにある同社工場を視察。その時の心情を「自尊心がズタズタになった。経営者として反省すべき点が多々ある」と記している。・・・
尹社長は「蔚山工場は兄として、弟であるロシアとチェコの工場にすべての技術を伝授した。韓国には『弟にないものが兄にはある』ということわざがあり、自分は兄として何でも優れていると誇らしい思いでいたが、それは間違いだった」と語る。・・・「地球村の時代。各メーカーの設備や材料(部品)などの差はほとんどない。人件費や製品の質、企業競争力がカギになってくる。」・・・
※XINHUA.JP、2013年12月03日、引用
現代自動車の尹社長(韓国)が、はからずも吐露した「地球村の時代」。その韓国は国として米国とのFTAで厳しい経済状況のおかれ、しかし、さらに11月30日にはTPPにも参加を表明しています。
韓国危機感「ライバル日本に後れ」TPPに意欲
韓国が、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する意欲を表明した。TPP交渉が年内妥結に向けて大詰めを迎えている段階で、韓国が参加へ動き出したのは、ライバルと目している日本に貿易自由化で後れを取るのではないかとの危機感があるからだ。・・・
韓国内では、TPPに参加すれば安い農畜産物の輸入が増え、農業などが打撃を受けるとの懸念は根強い。しかし、最終的には「失うものより得るものが大きい」と判断した。・・・
※読売新聞、2013年11月30日、引用
韓国は国として、もがき苦しみながらも、グローバルマーケットで勝負してやろう・・・という心意気が感じられます。そして、その韓国・自動車産業トップである尹・現代自動車社長の口から出た「地球村の時代」というキーワード。この言葉は重い。時代を反映しています。
学研はミャンマーに学習塾
もはや国境などというものは有名無実化しつつあるのかもしれません。教育の世界でも、学研ホールディングスが2014年をめどにミャンマーに小学生向けの学習塾を開くそうです(日本経済新聞、2013年11月28日)。まさに地球村の時代ですね。
学研、ミャンマーで学習塾 小学生に日本式教育
学研ホールディングスは2014年をめどにミャンマーに小学生向けの学習塾を開く。・・・経済発展に伴い教育熱が高まる現地のニーズをいち早く取り込む。・・・日本企業では日本公文教育研究会(大阪市)が進出しているが、ほかに外資系の教育サービス会社の目立った参入例はほとんどないという。
学研HDは国内の少子化もあって海外事業を強化している。インドやタイで子供向けの「科学実験教室」を展開しており、14年にはベトナムでも始める計画。・・・
※日本経済新聞、2013年11月28日、引用
インド、タイ、ミャンマー、ベトナム・・・学研のアジア戦略はすごい。積極果敢な企業姿勢です。これは学研がリスクテイカーであると同時に、やはり日本国内の少子化という現実が深刻で、海外展開をせざるを得ないという事情もあります。
もはや、企業にとって「地球村」という発想は必須であり、株式会社はその地球村で生き残り、勝ち残り(価値残り?)を図るしかありません。そして、ドメスティック(自国内産業)と言われ続けた教育産業も、今や例外ではないのですね。