脱貧困とネット教育

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・・・スタンフォード大などは昨年からネット教育の最新技術を活用して「人工知能入門」などの授業を無料公開し始めた。
 発端は2011年秋。同大教授のダフニー・コラー(44)が授業をネットで公開すると172カ国から受講生が35万人集まった。他大学もこれに注目、ネットでの試験やリポートで達成度を測る仕組み「MOOCs」ができた。
 途上国では高等教育への進学率が2割。教員も設備も足りないが「MOOCsが広がれば最高の知識を身につけ条件の良い仕事に就ける」と東大准教授の山内祐平(45)はみる。・・・
※日本経済新聞、2013年01月31日、抜粋

「米国の大学、無料の講義サイト」でも書いたのですが、ここ1年で、米国の大学のネット講義が注目を浴びている。自由な環境下で、やることが早い米国らしい。しかし、日本のネット塾(インターネット学習塾・予備校)ならぬ米国の「ネット大学」となると、それこそ国境など無い。あっという間に、100カ国以上の受講生が集まった。

そして、今後「ネット大学」で学んだ受講生・卒業生たちが世界各地で活躍する。途上国で貧困地域の若者でも、(極端に言えば)カネがなくてもやる気さえあれば、金融工学からコンピューターエンジニアリング、バイオテクノロジーや高付加価値の化学製品、そして最新医療まで勉強することができる。それは結果として、途上国の経済をジワジワそしてドカンと活性化させる。

ちなみに、MOOCs(Massive Open Online Courses:大規模公開オンライン授業)の一つであるCourseraには、ネット塾にも関係する「E-learning」の授業もあります。例えば、「E-learning and Digital Cultures」とかね。まぁ、MOOCsも一時的なバブル(?)だ、という意見もありますが、世界中から受講生を集めている現状をみるにつけ、この流れは止まらないでしょう。

※参考資料:
・「E-learning and Digital Cultures」、https://www.coursera.org/#course/edc、The University of Edinburgh、2013
・「The Shigeta Way:【解説】MOOCsを使った大学単位認定の現状」、http://shige.jamsquare.org/2012/11/moocs.html、重田勝介氏、東京大学・大学総合教育研究センター・助教、2012年11月18日
・「The Shigeta Way:OpenEducation Conference報告」、http://shige.jamsquare.org/2012/11/openeducation-conference3moocsopen.html、重田勝介氏、東京大学・大学総合教育研究センター・助教、2012年11月03日
・「Coursera」、https://www.coursera.org/
・「What is a MOOC?」、http://youtu.be/eW3gMGqcZQc、dave cormier

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