林先生が落ちこぼれ軍団に特別授業(5)

>> 前日の記事より続く

「林修」も東大卒プチ・ヤンキー?

ここで突然(?)、林先生は、「昔やりたい放題やってさ20代で・・・」と言い出し、自らの失敗談を切り出した。「林修」も実は東大卒 “プチ・ヤンキー” であると。ミネラルウォーターを飲み、一気にまくし立てた。
※以下、引用部分は、一部改変していますが、おおよその口述筆記です。

2000万円近い借金地獄

2000万円くらい借金かかえてさ・・・1800万くらいか。

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(男子生徒: それ何。ギャンブル?)

ギャンブルも含めて。会社(の起業)も失敗して。大学出て銀行入って、「ちょっと合わないな」って、スグ辞めたの。そう、君らと一緒なんだって。で、自分で(会社を)やりだしたのさ。まぁ、うまくいかん、いかん。で、借金ばっかり。でも「なんとかなるさ」、「オレならできるさ」って。そう思って、ボンボコ、ボンボコ、借金膨らんで。

「なんとでもなるし」、「なんでもできる」と思ってたが、大間違いだった。自分ができることなんて、限られている。一人の人間ができることなんて、そんなに何でもできるわけではなくて、限られている。

(男子生徒: そこまで借金して、人生投げ出さなかった理由・支えってなんすか?)

ただオレ、この「人を教える仕事」っていうのには自信があったから、この仕事を専念して一生懸命やれば何とかなるだろうと思ってた。

東大卒のプライド、自信、見栄・・・

でも、なんでやんなかった(理由は)っていうと、あんまり言いたくないんだけど、一応オレ東大法学部出ているのね。すると、オレの仲間って、官僚とかねぇ、すげえ活躍してるわけ。もう、ちっちゃい塾とかでやってるって、なんかミジメな思いがして嫌だった。オレもあいつらと同じように会社をド派手に作って、官僚にはなれなかったからね、そういうのやりたいと思って見栄張ってやってみたんだけど、そんなもんダメなんだよ。

やりたいことやってて、うまくいくやつはラッキー。だけどなかなか・・・ホントにその人は運が良いけど、オレにはできなかった。

「やりたい事」と「やるべき事」を分ける

だから、「やりたい事」と「やるべき事」を分けて、この「やるべき事」を「これだったら勝てる」っていう、この「教える仕事」で失敗したら、ホントにオレ多分、この世にいなかったかもしれない。でもここへ戻ってくれば、絶対なんとかなると思って、それで戻ってきたら実際なんとかなった。

だから、いっぱい負けたからだって。20代にいっぱい負けて、いっぱい借金して・・・そのなかで「ここ」(教える仕事)しかない。可能性をどんどん消していく。それで「ここ」しかないなと思った。今こうやってやってきたら、たまたまめぐり合って、やりたいことをやらせてもらうようになった。

林先生にとって、「教える仕事」は得意分野であり、“勝てる” 分野。紆余曲折の上での天職である。ただし、やりたいこと、好きなことではなかった、とも言える。

「正しい場所で」、「正しい方向で」、「十分な量」の努力は裏切らない

ここで先生の仕事論が開陳される。ジャニーズを例に出し、実にわかりやすい。

よく言うんだ。自分。「努力は裏切らない」って言葉は不正確だ。「正しい場所で」、「正しい方向で」、「十分な量」なされた努力は裏切らない。じゃぁ、オレにとってどこが間違った場所か言おうか? オレが例えば、「ジャニーズ入りたい!」。努力する。どう? 正しい? 正しい場所?

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(男子生徒: それでなれたら誰でもなれる。)

好きなことは趣味でやればいい。仕事っていうのは、お金をもらってやることだから、それはお金を払う人に対して責任を取らなければならない。こっちが好きか嫌いかなんてどうでもいい。向こうがお金を払ったことに対して責任を取れるか。そういうことがちゃんとできているっていうプライドが持てるか。そこだけで良いと僕は思う。

一つの考え方だけどね。だから好きなことはお金を払ってやる。仕事はお金をもらうことだから、自分がやれる・やるべき事をやる。これが僕の考え方。

「仕事はお金を払う人に対して責任を取らなければならない。こっちが好きか嫌いかなんてどうでもいい。」

なるほど。単純にして明快。言い換えれば、“得意分野なら顧客に(ある程度)責任を取れる”、ということ。人にもよるが、「好き・嫌い」と「得意・不得意」は別物で、「得意」を仕事にすべきだということ。顧客に責任を取りやすいからね。

思いがあったら語ってしまったほうがいい

このあと、林先生は、インターネットやソーシャルネットワークの効用を補足的に説く。メンタルで抽象的な話だけでなく、実用的なアドバイスも忘れない。

何か思いがあったら語ってしまったほうがいい。ツイッターでもいいし、ブログでも、それは人によって向いているもので良いけど。なんかこう「言ってしまう」ことで、「ちょっとやってみないか」、「オレ、力貸してあげるよ」っていう人が、昔に比べて非常に簡単に現れる時代になっているから、夢は書いちゃったほうがいい。発表したほうが良い。

なるほど。今日の現状に合った発展的なサジェスチョンですね。さて、ここで授業は終わりのはずなのですが・・・

>> 続きは後日へ

※参考資料:
テレビシャカイ実験 あすなろラボ、フジテレビ
カリスマ講師・林修先生が高校中退者19名とガチンコ勝負!? 現場密着レポート!、webザテレビジョン、エンターテインメントニュース、2013年06月09日
フジテレビ「テレビシャカイ実験 あすなろラボ」で林修先生が語った名言まとめ! いい番組でした、NANOKAMO BLOG、2013年06月09日
東進ハイスクール在宅受講コース、Nagase Brothers Inc.
林先生の初授業!!  ヤンキーを相手に授業開始!!、FC2動画、登録2013年06月10日

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