ネット塾(インターネット学習塾・オンライン予備校)と少し関連するのですが、リアル学習塾でもiPadで授業を変えた成功事例が出てきました。学習塾運営の俊英館のケースです。
学習塾でのiPad成功事例
生徒一人ひとりにiPadを配って・・・というのを想像していたのですが、基本的にはそうではない。ベースとしては、講師がiPad(+無線LAN)とプロジェクターを使い、板書と説明時間を短縮する。これがうまく回ると想定以上に効率的で、授業に余裕が生まれます。例えば、①生徒にいきなりクイズやパズルみたいに問題を解かせたり、②グループディスカッション形式も可能になる。
詳細はこちら >> iPadで授業を変えた学習塾、「板書時間」から「考える時間」へ
例えばこの②グループディスカッション形式というのは実は画期的(革命的?)で、従来の学習塾では考えられないことらしい。生徒同士の議論を授業に持ち込むわけで、講師から見て非常に “難易度” が高いと言える。具体的には、①講師が生徒の解答内容をプロジェクターへ投影し、②生徒同士は解答内容について議論を始め、③生徒たち自身が間違いや問題点を見つけ出す・・・という展開です。
確かに教育効果は高いかもしれないが、学習進度の効率性や時間・場所の制約もあり、従来の学習塾では実現不可能に近いスタイルです。それが可能になるというだけで、教育関係者からは驚嘆の声が上がっています。
クラウド共有
また、教材はクラウドコンピューティングでWeb上に保存し、講師同士や講師・生徒間、生徒同士でも必要に応じ適切に「共有」する。したがって、軌道に乗ると、非常に弾力的かつ効率的な運用が可能になる。特に、欠席の生徒や進度が遅れ気味の生徒などのリカバリーにも活用できる。動画などの教材をクラウドに置くことで、うまく彼らへフォローアップに使うことができる。
このクラウドで教材等を共有するところは、ネット塾(映像授業・映像学習)と通ずる部分ですね。秀英iD予備校 自宅学習コースなど、元々は授業を休んだ生徒へのリカバリー対応ビデオだったらしい。それが今ではネット塾として単体で成り立っているわけです。
コストパフォーマンス
このiPad導入ですが、開始時点で、“講師” がiPadとプロジェクターを使うところがミソです。これが、大きな費用をかけずに大きな効果を生み出す。コストパフォーマンスが良く、学習塾「経営」の観点からもメリットが大きい。また、専用アプリではなく、PDF教材など一般的なアプリを利用することも、経費をかけない工夫です。
例えば、将来的にiPadなどタブレット端末を生徒一人ひとりに配るにしても、“タブレット方授業” が軌道に乗ってからでも遅くありません。ムーアの法則よろしくIT機器関連はハード・ソフト問わず、日進月歩で進化する。一時にドカッと投資するのは塾経営としてはリスクが高すぎる。少しづつ小分けにして(?)導入するのがコツだそうです。
※参考資料:
・iPadで授業を変えた学習塾、「板書時間」から「考える時間」へ、TechTargetジャパン、アイティメディア株式会社、2013年05月29日
・ムーアの法則、Wikipedia、最終更新2013年05月08日