フリーター問題は、心優しき弱者が、安心して働ける職場がなくなったことが大きな原因なのだ。・・・それは農業であり、自営業であり、大企業の工場であった。こうした「他者からとやかく言われず働ける」職場群が、まずは農業人口の減少で減り、次に、中小商店の敗退でまた減り、最後に工場の海外移転でなくなっていった。
現在では人と接することなしには生きていけない社会となっているのだ。
※学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識、海老原嗣生(著)、朝日新聞出版、2009年、171頁引用
読んでいてギョッとしたので、思わず引用しました。「雇用のカリスマ」と呼ばれた就職コンサルタント、海老原嗣生さんの一文です。「現在では人と接することなしには生きていけない社会となっているのだ。」・・・
当たり前といえば当たり前の指摘ですが、わたしはこの指摘に今まで気が付かなかった。確かに今の日本では、第一次産業も第二次産業もなくなりつつある。第三次産業だけが幅を利かせ、様々なサービス業が日本経済の中核を担っている。しかし “人と接することなしに生きていけない社会” とは感じなかった。でもそう言われると、そうだね。
どんな職業でも「人に接する」部分は外せない
ということは、学生さんは将来どんな職業につくにしても「人に接する」部分は外せない。意識せざるを得ない。もしネット専業の仕事を選ぶとしても、「人と接する」要素は必須ということになる。これは人件費や物価が高騰しやすい先進国の宿命かもしれない。人件費や物価が上がれば、農業や製造業などはグローバル市場で競争力を失いやすいからね。
「人と接する」学問といえば、全ての科目にそういう要素はあるものの、とくに語学は(絶対に必要というわけではないが)重要です。やはり語学はヒューマン・コミュニケーションのひとつの中核である。そういう意味でも、今後も語学の重要性は高まると思います。
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※参考資料:
・海老原嗣生、Wikipedia、最終更新2015年05月25日
・第三次産業、Wikipedia、最終更新2014年10月05日