東大合格に100万円 あの高校はどうなった?
「東大など難関大に合格したら100万円、その他国公立大などは30万円」。昨年11月、こんな奨励金による受験生支援策を発表した鹿児島県伊佐市の県立大口高校。・・・「お金で合格をつるのか」「世紀の愚策」。激しい批判の声も上がった。論争には“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏も参戦。・・・
今年の入試も終わり、制度の恩恵を受けた生徒はいたのだろうか。「100万円がもらえる九州大を2人受験しましたが、残念ながら不合格。しかし、最終的には、鹿児島大など30万円の国公立大に計18人が合格しました」と、同校の玉利博文教頭は話す。「昨年の国公立大合格者は4人でしたから、確実に進学実績増につながったと思います」・・・
支援策は、減り続ける同校の志願者数の歯止めにと期待された。結果はどうか。「市外からも成績優秀な生徒が志望変更して入学しました」(玉利教頭)。県教委の調査によると、昨年6月時点で同校への進学希望者は56人だったが、今春の入学者は66人。
目標とした3クラスを編成できる81人には届かなかったが、支援策が奏功したとみられている。伊佐市の隈元新市長も、「(支援策が浸透する)2~3年後には東大合格も期待できます」と胸を張る。・・・
※dot.ドット、朝日新聞出版、2015年06月15日、引用
国公立大学合格は4.5倍増
やったね。国公立大学に4人だったのが18人ですよ。4.5倍増です。すご〜い。人間お金が全てとは言わないが、モチベーションアップの一助には確かになる。大学合格で奨励金なら、受験勉強は(大げさに言えば)まさに仕事でありビジネスである。生徒には、サボるわけにはいかない、という意識も働くでしょう。
さらに勉強する大義名分も追加されるしね。真面目に勉強するって、ちょっと恥ずかしいじゃないですか。ガリ勉は昔から嫌われる。場合によっては最悪、友達をなくすかもしれない。真面目に勉強する “わかりやすい言い訳” ができて、受験生にとっては良いこと尽くめだと思います。
高校への志願者は2割増
高校の志願者数減少にも歯止めがかかった。2014年06月時点で志願者56人だったが、今春の入学者は66人。約2割増です。これまた大成功! この少子化の時代に半年ちょっとで2割増とは、まさにリアル・ドラゴン桜です。
2〜3年後のホントに東大合格者を出したら、「大丈夫です。生徒は集まりますから。そして現役東大合格者、いきなり5人。世の中大騒ぎ。来年の今頃には今年度の数倍の新入生が集まっていることでしょう。」が現実になりますね。
やっぱり資本主義社会ニッポンである以上、お金で人間はある程度は動きますし、大学受験となると、勉強をする “大義名分” にもなる。今も昔も高校生あたりだと、真面目に勉強しているのって “カッコ悪い” と、友達に見られがちですからね。
例えば「カネのためにやってるんだよ」みたいな憎まれ口を大っぴらに言える大口高校の生徒たちを、ちょっと羨ましいなぁ、と思います。がんばれ、大学受験生!
※参考資料: 鹿児島県立大口高等学校、Wikipedia、最終更新2015年04月12日