“悩める先生”を支え抜く


※写真: 浅谷治希氏、株式会社LOUPE、CEO兼Co-founder、リンク

ソーシャルの力で“悩める先生”を支え抜く「SENSEI NOTE」

授業準備、生徒指導、成績管理など、さまざまな業務に追われる学校の教員。そんな教員が生き生きと働ける社会を実現したい――。こうした思いを基に開発された教員用SNSの「SENSEI NOTE」に、多くの教員が期待を寄せている。これまで1年半弱にわたる試験運用を実施し、2014年3月24日に正式公開を迎えた。・・・

「ファイルのような形で資料化されているものだけに限らず、明文化されていないような“先生の日常”がSENSEI NOTE内のやりとりの中で顕在化してくれば、大きな価値になる」と浅谷氏は言う。今までなかなか実現が難しかった、教員の「暗黙知」の可視化という点で大いに貢献することだろう。・・・

浅谷氏がSENSEI NOTEを開発するきっかけになったのは、教員をしている友人と10年振りに再会し・・・「教員が抱える課題や悩み」を聞いたことだったという。・・・「SENSEI NOTEで目指すのは『先生が生き生きと働ける社会』の実現。・・・」と浅谷氏は意気込む。・・・

TechTargetジャパン、教育IT、2014年04月16日、引用

教員の暗黙知の可視化

浅谷さんが今春に始めた「SENSEI NOTE」。悩める先生たちを支えるべく、教員限定の会員制SNSです。とくにSENSEI NOTEが価値を見出そうとしているのは、「教員の暗黙知の可視化」です。なるほど! 教員の世界は少し職人気質というか、肝心な部分で縦横の連携に乏しい。そのウィークポイントを補えるかもしれない。

教員向けイベントまとめ SENSEI PORTAL

また、教員は業務上の負荷もかなりあり、なかなか一筋縄でいかない職業でもあります。つまり、教員は公務員あるいは公的なポジションなので、まずかなりの事務処理を要求され(①)、その上、生徒に勉強を教えるべく、アカデミックな専門知識とコーチングのノウハウが必要です(②)。さらに、生徒・保護者・同僚の教員・校長や教育委員会その他教育関係者との、かなり密な人間関係を強いられます(③)。

まぁ、教員は大変です。上記の①~③を苦にしない、いや、楽しめる(?)くらいの度量がほしいところです。

「知識の切り売り」がやり難く・・・

昨今はスマホ(スマートフォン)やタブレットで、あらゆる情報を瞬時にゲットできる世界になりつつあります。情報の海に人々は浮かんでいる、と言ってもいい。そうなると従来、教員が独占していた②の「アカデミックな専門知識」も、ネット上でも簡単に得ることができます。

こうなると、教員は(今以上に)もっと大変です。

自分たちが独占していた“カリキュラムの情報・知識”は、すでに生徒は知っているかもしれない。教員のメイン業務である「知識の切り売り」がやり難くなってきています。極端な話、(生の)学校の授業を受けなくても、同様のネット動画を視聴すれば事足りる。例えば、某林修先生の動画授業を見ていれば、現代文の授業に出なくてもいい、となります。そういう状況です。


“教える人”から“ファシリテーター”へ

今後の教員の役割は、“教える人”から“ファシリテーター”に変わるでしょう。インストラクター(教員・指導者)としてだけでなく、生徒を観察し、援助し、クラス全体を運営する役割も今まで以上に求められます。生徒に勉強を教えるのではなく、生徒が勉強をするのをサポートする感じです。

これは従来の教員にとって少しハードルが高い。従来と違ったマインドセットやスキルも必要です。そういう“悩める先生”が確実に増えそうな状況に、今回の新・教員向けSNS「SENSEI NOTE」が立ち上がったことは心強い。日本の教育界全体にとっても喜ばしいことだと思う。

ネット塾(インターネット学習塾、オンライン予備校)だけでなく、こういった教育における別の面でのネットサービスも素晴らしいですね。

※参考資料:
SENSEI NOTE – 全国の先生がつながる、株式会社LOUPE
ファシリテーター、Wikipedia、最終更新2013年09月08日
インストラクター、Wikipedia、最終更新2012年04月17日

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