九州大学、ノートPC必須化

国立大学の九州大学は2013年度新入生から、個人所有のノートPCを学内に持ち込むことを必須としています。4年後の2017年度には、全学生19,000人が対象となり(大学院生含む)、これまで十分に活用されていたとは言えない学内のPCルームを全廃する。

そう、九州大学では原則「学生1人にPC1台」という本格的なIT(ICT)化に乗り出しているのです。

学生1万9000人が使う“PCルーム”を全廃する九州大 その狙いとは?

・・・学生用のPCを設置した講義室を12部屋ほど整備してきたが、時間割の8割ほどが授業時間で埋まっていて、学生が授業時間外に使おうと思ってもほとんど使えなかった。なぜなら学生は1万9000人ほどいるのに、学生向けPCは大学全体で約1000台しかない。・・・予算は減らされる一方で、これ以上PC整備に使える予算を増やせる見込みもない・・・

「ノートPCはいまや5万円ほどから買えるし、バッテリーだって5~6時間は持つ。どうしても電池が切れてしまうようなら講義室のコンセントの近くの席に座ればいい。・・・最初に全新入生向けに講習会を行い、しっかりとPCの使い方をレクチャーしたのが効いた。・・・全学生を最初に面倒をみたので、ほとんどトラブルがなくなった」と藤村教授(工学博士 総長特別補佐 副CIO 情報統括本部長 教材開発センター長)は振り返る。

トラブル減少以外の効果も生まれているようだ。「例えば、学内PCに皆で一斉にログインさせると授業開始が遅くなるが、個人のノートPCなら普段通りパスワードを入れるだけですっと使える。データの保存場所も従来の教育情報システムでは1人当たり100Mバイトしかなかったが、自分のPCなので何十Gバイトでも保存できる。われわれが抱えていた課題をほとんど解消できた」・・・

「PCのように学生個人で賄える部分に投資しない代わりに、例えばWeb学習システムや学習管理システムといったサーバ側のシステムに投資していく。そうした方向でサービスを強化していきたい」(藤村教授)・・・
ITmedia エンタープライズ、2014年03月24日、引用

個人のノートPCを大学教育において必須条件にするのは、やはり問題があるのではないか、という懸念が学内にはかなりあったそうです。しかし、ふたを開けてみたら、意外とトラブルは起きなかった。いや、それどころが、“①いまどきのノートPCは安く、かつ高性能で、データ容量も大きい。②大学側はネットワーク環境やサーバー側に積極的に投資できる。”・・・という素晴らしいメリットを享受している。

ノートPCはダウンサイジング

「いまどきのノートPC」に関して言えば、例えばレノボなんてハイパフォーマンスのThinkPad T シリーズでさえ、10万円ちょっとで手に入れられます。ノートPCにおいては、まさにダウンサイジングの時代は続いている。PCがとても高価だった時代を知っている筆者にとって、正直とてもいい時代になったと感じます。

まぁ、ネットで情報が逐次入ってくる(あるいは探し出せる)ので、大学側もいかに有益な学習・研究情報をネットに載せるかが、今後のカギとなります。九大(九州大学)からすれば、PC本体を大学側で用意するなどの“カネもかかる面倒くさいこと”は、もう時代錯誤。“PCルーム”などサッサと廃止して、限りある予算をどんどんソフト分野に投入したい。


国立大学もサービスの時代

つまり、サービスの時代なのです。国立大学といえども、いかに学生に有意義な価値ある情報を提供できるかがポイントです。それを従来のキャンパスだけでなくネットにも上手く流すことで、良い教育のベースにしたい。そこに注力したい。政府からの予算が減らされる中、いかに優秀な学生を集め、いかに企業から寄付を募り、そして教育・研究サービス機関としていかに成果を上げていくか・・・が、問われているのです。

こういった涙ぐましい(?)努力を、国立大学であっても頑張っているわけです。大学を目指す高校生たちは、ぜひキャリアアカデミー進学ナビリクナビ進学などでチェックして、そういった大学側の姿勢(実態?)も感じ取ってほしい。幸か不幸か、「少子化」で大学経営も(国公立・私立問わず)大変で、学生集めにあの手この手と知恵をしぼっています。だから、昔に比べ格段にレベルアップされた教育サービスが期待できます。

例えば、キャリアアカデミー進学ナビやリクナビ進学では、進学サポートの情報が充実しています。①自分が将来やりたいことを見つけ、②その目標に合った大学等を選び、③その学校が実際どんな状況なのか・・・といった情報が満載です。単なる受験情報だけでなく、オープンキャンパスに行ってみるなど、“見える化”情報でも充実しています。

高校生などの皆さんには、ネットなどで情報を集めるだけでなく、ぜひオープンキャンパスなどで実際の大学に行って生の雰囲気を感じてほしいと思います。そして、ご自身の将来像とちょっとでも照らし合わせてみて、近未来を想像してみることも大切なステップだと思うわけです。


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