・・・RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニックの白濱龍太郎院長は話す。・・・「記憶を司るのは脳の海馬という部分ですが、睡眠時間が少ない子供はこの海馬の体積が小さくなっている。成人を対象にした研究でも、しっかり睡眠時間を取っている人のほうが記憶力が高いというデータが出ています」(白濱院長)
米国で120人の高校生を対象に、「睡眠時間と成績の関係」を調べた研究もある。それによると、睡眠時間が7時間半くらいと長く、就寝する時刻が10時半ごろと早い生徒ほど成績が良かった(下グラフ参照)。・・・
記憶力が落ちるだけではない。恐ろしいことに、「慢性的な睡眠不足は将来の認知症にもつながる」と白濱院長は警告する。・・・「たまったβアミロイドは睡眠中に処理されます。年をとるとメラトニンというホルモンの分泌が減り、眠りが浅くなるため、βアミロイドがたまりやすくなる。日中に増えたβアミロイドを消すためには6時間半以上の睡眠が必要です」・・・
※記憶力低下…原因は睡眠不足でたまる脳内物質!、日経ビジネスオンライン、2016年03月08日
睡眠でアミロイドβを消す
アルツハイマー型の認知症では、その要因の一つにアミロイドβ(アミロイドベータ蛋白、βアミロイド)が関与していると言われています。脳内にアミロイドβが蓄積すると、認知症を引き起こす。カンタンに言えばそういうことになります。
このアミロイドβを消すには、睡眠が非常に重要になってきます。上記で白濱氏も言っていますが、6時間半以上の睡眠が一つの目安になります。できれば8時間ほどの睡眠が有効でしょう。ただ高齢になると体内時計の加齢変化の影響で、長時間睡眠が取りにくい傾向も出てきます。なかなか難しい問題ですね。
睡眠時間と海馬の大きさ
さて子どもたちにとって認知症は通常では関係ありませんが、しかし睡眠時間と海馬の大きさが比例しているという点は、非常に注目に値します。言わずもがな、記憶を司る脳の「海馬」と「教育」との関係はとても密接です。すなわち効果的な教育プログラムを実行するには、実はしっかり “寝る” ことが必須なのです。
「受験サプリ」(2016年4月20日よりスタディサプリへ統合予定)では以前、「最適仮眠授業」なる動画を用意していました。残念なことに現在はなくなっているようですが、睡眠と学習の関係が非常に重要であることを考えると、ぜひ復活して欲しいと思います。あるいは「睡眠サプリ」いや「スリープサプリ」なる単独メニューをガッツリ置いても良いのかもしれませんね。元祖・革命児であるリクルート社ならやりかねんゾ!
※参考資料:
・理研BSIニュース No.1(1998年8月号)、特集:アルツハイマー病とは?、独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI)
・平日の睡眠時間が6時間以下だと、週末に寝だめをしても認知能力を回復できないことが明らかに、GIGAZINE、2011年06月15日
・睡眠不足と認知症について、2013 認知症予防で家族を守る
・高齢者の睡眠、e-ヘルスネット 情報提供、厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
・100%眠くなる「仮眠授業」がマジで心地いい(-_-)zzz、NAVER まとめ、更新日2015年04月09日