ナッツ・リターンといえば、大韓航空機を無理やり搭乗ゲートに引き返させた事件で、2014年の年末に世間の注目を集めました。滑走路へ向けてプッシュバックを始めていた飛行機を、当時の大韓航空副社長の女性が「マカダミアナッツの出し方が悪い」などと文句をつけ、大声で激怒し切れまくり、怒りにまかせて本当に飛行機を搭乗ゲートへ引き返させてしまった事件です。
さて(前振りが長くてすみません・・・)、思わぬところから名前が出た「マカダミアナッツ」ですが、なんとこのナッツ類とオリーブオイルが脳にいいそうです。
※写真:写真素材 足成【フリーフォト、無料写真素材サイト】、引用
米ニューヨーク大学医療センターのSamantha Heller氏は、「ナッツやオリーブオイルなどの健康的な脂質は、脳の機能と健康を維持するのに重要な役割を担っています」と話しています。人間の脳の神経細胞は、1つ1つが髄鞘と呼ばれるごく薄い脂肪と蛋白の層で保護されています。この髄鞘は食物由来の脂肪からつくられるため、健康的な食品と脂質を摂取するほど脳も健康になると、同氏は説明しています。・・・
Heller氏は、「これらの脂肪が精神機能と脳の健康を向上させ、アルツハイマー病リスクを低減させることが明らかになってきています」と話し、バターの代わりにオリーブオイルを、ポテトチップスの代わりにアーモンドを、ミートボールの代わりに野菜を摂取するよう勧めています。
※世界健康ニュースch、大麦生活公式サイト、大塚製薬、HealthDay News 2015年05月11日
私もよくわかっていないのですが、「髄鞘」(ずいしょう)と呼ばれる脳の神経細胞同士をつなぐ “部分” は、「オレイン酸」という脂肪が多く含まれているそうです。私のイメージでは、オレイン酸で作られた「髄鞘」という名前の “細長い神経をおおうカバー” があって、そのカバーが脳の活動に非常に大切な役割をはたすらしい・・・。
※図:髄鞘、脳科学辞典、最終更新2014年06月26日、引用
そして、そのオレイン酸といえば、アーモンド、ピーナッツなどのナッツ類やオリーブオイル、そしてアボカド等です。近年では地中海式ダイエットで注目されたオレイン酸とオリーブオイルですが、実は認知症にも予防効果があるという。それがこの髄鞘を守るという効果です。
髄鞘のメンテナンス
髄鞘が破壊されると、脳が萎縮し認知症になる。逆に言えば、オレイン酸の適切に補給すれば、髄鞘を維持メンテナンスすることができます。各種ビタミン等との関係もあるので、実際にはもっと複雑な人体システムですが、いずれにせよオレイン酸が脳に重要な役割を果たすということは間違いありません。
受験生など勉強に励む人たちは、「バターの代わりにオリーブオイルを、ポテトチップスの代わりにアーモンドを、ミートボールの代わりに野菜を」というHeller氏のアドバイスを実践したいものです。そして私のような中高年の方々は、ややもすると脳が老化し始めていますので、ナッツを食べて若い脳にリターン・・・ここでもナッツ・リターン!ですね。
※参考資料:
・大韓航空ナッツ・リターン、Wikipedia、最終更新2015年11月22日
・髄鞘、Wikipedia、最終更新2014年02月10日
・ω-3脂肪酸、Wikipedia、最終更新2015年11月14日
・地中海食&オリーブオイルかナッツ類が「記憶力を改善」!?、アライブ!サプリメントカフェ、2015年05月12日
・脳を健康にするという「地中海食」は本当に効果があるか、ニューズウィーク日本版、2015年11月10日
・オレイン酸の効果・効能 成分・素材辞典、食養生.com
・認知症の予防、認知症とは、Seesaa Wiki(ウィキ)、最終更新2012年06月04日
油を変えて頭も体も若返る!、オーガスト・ハーゲスハイマー(著)、主婦と生活社、2015年