大卒より評価が高い “高卒人材”

・・・入社5年目の活躍度を調査したのがIT企業です。まず同社で実際に活躍している社員が共通に持つ高い能力を調べたところ「意欲の高さ」と「発想の豊かさ」の2つでした。この2つを指標に入社5年目の学歴、学校歴別に社員を調査したそうです。・・・

同社の人事部長はこう言います。「当社は大卒以外に高校、専門学校卒も採用しています。それを含めた全員を調べたのですが、最も評価が高かったのは高校、専門学校卒だったのです。次に東大、京大や早慶クラス、最も低かったのが明治、中央などのMARCHクラスでした。学歴に関してはまったくの逆の結果になりました」・・・

入社5年目調査で判明! 大卒より評価が高い“高卒人材”、PRESIDENT Online、2015年10月06日

活躍度で高校・専門学校卒がNo.1

あるIT系の会社で、入社5年目の若手社員の活躍度をチェックしたところ、【1位】高校、専門学校卒、【2位】東大、京大、早慶クラス・・・【最下位】明治、中央などのMARCHクラス、という順位が出たそうです。誤解を恐れず正直に言えば、本当に驚きました。

特定の会社の社内評価(「意欲の高さ」と「発想の豊かさ」の2指標)ですから、どこまで一般化できるかは微妙なところです。いわゆるビッグデータ分析ではなく、非常に限られたサンプリング調査ですので、たまたまの偶然の結果かもしれません。

しかし、もしこの結果が世の中全般の趨勢であるとすれば、大学教育が若い人材の能力をスポイルしているわけで、ある意味たいへん由々しき問題であります。おそらく、こういう結果が顕著になってきたのは、ごく最近ではないかと思います。

大学教育がビジネスシーンに追いついていない?

それはすなわち、大学教育の内容自体が、グローバル化や電子化がすすむ現代のビジネスシーンに “追いついていない” ということでしょう。もはや大学教育の実態は時代の最先端ではなく、逆に、時代の後ろのほうを後追いしている・・・のかもしれません。

過去の余計な知識や情報に脳が侵されていない(?)高校・専門学校卒の若い人材は、時代の変化に機敏に対応し、すぐさま適合する。高校・専門学校卒には見劣りするが、東大・京大・早慶クラスはその優れた頭脳で時代の変化をいち早くキャッチアップできる。しかしMARCHクラスになると、なまじ有名大学を出たというプライドも邪魔して、かつ能力的にもやや中途半端で、時代の変化に乗り遅れがちになる。

私的に分析してみると、そんな感じでしょうか? これをもって、MARCHクラスの卒業生がダメだ、ということにはなりません。しかし、やはりたぶん「一流大学の名前」が逆にOBたちの危機感を鈍らせている気がしてなりません。おそらく日東駒専などのワンランク下と目される(失礼!)大学群の卒業生たちのほうが、多少なりとも危機感が強く、活躍度も高いかもしれません。

時代は大きく変化している

つまり、時代が大きく変化しているのですが、その大変化にトップ大学の東大・京大・早慶クラスでさえ翻弄され、大学における教育への対応が十分ではないのだと思います。それでもトップ大学群は強い危機感を敏感に感じ取り、その優れた能力で必死に変化についていこうとしています。しかしながらMARCHクラスになると、一流大学であるという世間の評価に惑わされ、ある種の油断が生じているのだと思います。

そもそも発想を変えるべきかもしれません。一流大学に入り卒業すれば、「優秀だ」「仕事ができる」というイメージ自体が、もしかしたらひどく古臭いものになっているのかもしれない。そう思わざるをえません。今回のとあるIT企業の「入社5年目の活躍度調査」は、従来の大学教育の後進性(あるいは大学生のメンタリティーの不備)を物語っていると感じました。

逆に言うと、何らかの形で現代社会の先端分野を学ぶというか、エッジの効いた教育をキッチリ取り込めば、非常に優秀な人材となりうると思います。やはりいかにして今の(近未来の)社会にビジネスにアジャストしていくかがポイントですね。


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