・・・世の中は情報の塊、つまり膨大なデータの集まりということになる。そのような視点は過去に例がない。だが、そういう発想は、生活のあらゆる面に影響を及ぼすことになる。世の中が数字や数式で把握できるとすれば、今の世はまさに数学万能社会である。・・・
これからの世代は、「ビッグデータ意識」が高くなるはずだ。あらゆる行動には数値化できる要素があり、社会が成長するためにはデータが不可欠と考えるようになる。・・・当面の間、データ化の先進事例は、ビッグデータで新たな価値を生み出すビジネス分野が中心となる。
※ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える、ビクター・マイヤー=ショーンベルガー(著)、ケネス・クキエ(著)、講談社、2013年
“世の中のありとあらゆる事象が数値化される” は言い過ぎにしても、「数値化できる要素」はどんどんデータ化される。こういった発想が徐々に一般化され、データを統計的に扱うには最適な「数学」が非常に幅を利かせることになる。
もちろんデータ化には限界はあり、”数式” がすべてを表すわけではない。それでも従来には考えられなかった広範囲に渡り、データ解析という名の「数学」が世の中の多くのシーンで陰に日向に出没してくる。ひたひたと「数学万能社会」の到来が来ているのだ。
学生が数学を勉強し、得意科目になったとしても、基本的に演算処理はコンピューターに取って代わられるので、直接的に将来の仕事や生活にプラスになるわけではない。しかし、数学的発想がビッグデータを使いこなすツールとなり、間接的に仕事や生活に大きく寄与するだろう。コンピューターやビッグデータはあくまでツールだからね。
数学・道徳と経験値
おそらく「数学的発想」と「個人的な経験値」がうまく合わさった時、的確な未来予測が可能となり、仕事や生活が大きく前進する。そういったシーンが今後は増えていくと思う。
そういう意味で、学校教育の場で「数学」と「道徳」は似ている。直接的に社会生活では役に立たないが、経験値など他の要素と組むことで、ものすごいチカラを人生にもたらす。そういう側面があると思う。
※参考資料: 学習指導要領のポイント、文部科学省、登録:平成23年02月