※写真: 文部科学省ホームページ、引用
低所得の家庭多い小中校に教員2千人増 文科省が方針
子どもの貧困率が悪化する中、文部科学省は所得の低い家庭が多い公立小中学校の教員を来年度からの10年間で2千人増やす方針を固めた。塾に行けない子に放課後補習を行うことで貧困の連鎖を断ち切るのが狙い。低所得者対策としての教員増は初めてという。・・・
教員を増やすのは、所得が低い世帯が25%を占める生徒数100人以上の学校で、全国に約2千校ある。今後10年で各校に1人ずつ配分する計画だ。来年度の概算要求に200人分の約4億円を盛り込む。
※朝日新聞デジタル、2014年08月26日
教員2000人増やす、と言うとたいそうな話に聞こえますが、低所得者層の学校2000校に1人ずつ配分するという話です。貧困層にターゲットを絞ったわかりやすい“教育対策”であると同時に、教員採用枠の増大で“雇用対策”にもなる。一石二鳥の良い政策ですね。
放課後補習の充実
この「放課後補習」の充実を狙った点も評価できます。概して、低所得者層は家庭環境が良好ではない。すなわち、家で勉強できる環境ではない・・・と言ったら言い過ぎでしょうか。あくまで総論ですが、貧すれば鈍するで、勉強なんてやってられない家庭が多い。
教員を1人増やすことで、多少なりとも「放課後補習」が充実してくれば、全体的な学力の底上げが期待できます。それが、10年後の社会全体の底上げに結びつく。元ボクシング世界ヘビー級王者のジョージ・フォアマンも言っていたが、貧困などで社会からドロップアウトした人間が更生するには、教育しかないと・・・。実は教育対策は間接的に貧困対策でもあるのです。
ぜひ教員の業務効率化も
また、教員を増やすだけでなく、教員の業務効率化(カリキュラムとバックオフィス両方)も、IT(ICT)を駆使してドンドン進めてほしいと思います。そうやって教員の余力を増やしつつ、生徒への教育にエネルギーを投入してほしい。そう切に願わずにはいられません。
※参考資料:
・ジョージ・フォアマン、Wikipedia、最終更新2014年01月25日
・「『やればできる』と急かすのは、僕は嫌いです」~ジョージ・フォアマンの息子、再生教育を語る、日系ビジネスオンライン、2009年09月17日