※写真:研究理念 – 研究理念 – 研究体制 – 早稲田大学研究院、リンク
早稲田大学が講義動画や資料を公開する新Webサイトを公開
2014年2月25日に講義公開サイト「WASEDA COURSE CHANNEL」を開設した。2014年3月末までに約1000種類の講義動画や資料を公開する。同大学が2006年から運営している同種のWebサイト「早稲田大学 Open Course Ware」と、2009年から運営する「早稲田大学 iTunes U」で公開中の講義動画や資料を集約した。
システムには、富士ゼロックスの動画検索技術「TalkMiner」、ソニービジネスソリューションのコンテンツ配信管理システム「OPSIGATE」を採用。NECのデータセンターに構築したプライベートクラウド環境で稼働させる。
同大学は2012年11月、2032年までに全講義を学内外に公開すると表明しており、新サイトの開設で取り組みを加速させる。
※早稲田大学の「全講義公開プロジェクト」に新たな展開、TechTargetジャパン 教育IT、2014年02月25日
新・早稲田ちゃんねる(?)配信
おお~。私学の雄、早稲田大学もここに来て私的MOOC(MOOCs)を志向しているようです。いや、現実に施行しますね。今月末までに。「都の西北 早稲田の森」から“新・早稲田ちゃんねる”(WASEDA COURSE CHANNEL)を配信するわけです。大隈重信候もびっくりでしょう。
いやいや、大隈重信候の理想に一層近づいたともいえます。なんといってもWASEDA COURSE CHANNELのキャッチフレーズが、「大隈重信が目指した 門のない大学 ここにも、開校。」です。
※Waseda Course Channel | 早稲田大学公開授業動画、リンク
動画と板書の一体化
一般的に現在のMOOCの場合、YouTubeのように動画が前面に出て、途中途中で確認テストが入る。そして、講義とは別にコミュニケーションのボード(掲示板、フォーラム)があり、受講者はアクティブに投稿していく。
WASEDA COURSE CHANNELの場合、この動画部分においては一歩進んでいて、①講師の動画映像と②電子板書(レジュメ、プレゼン資料)が一つの画面に一体化されています。これは、昨今のeラーニングではスタンダードなスタイルで、やや面白味には欠けるものの、じっくり勉強するには最適な映像手法だと思う。早稲田の本気度が垣間見えます。
文科系のイメージが強い早大
早稲田大学は慶應義塾や東大・京大と違い、医学部がない。どうしても文科系が強いイメージです。STAP細胞で一躍、時の人になった小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーが、早稲田の理工出身と聞いて、「あれっ」と思った人も正直多いでしょう。世界の経営コンサルタント界のグル・大前研一さんも早稲田大学理工学部出身ですから、実は早稲田の理工はめっちゃすごいのですが・・・。とにかく、世間的には文科系のトップ一流校というイメージです。
したがって、どちらかと言えば、“実験を重ねて、何かモノを作って、新発明・新発見”というノリで、社会的にムーブアップ(move up)していく大学ではない。やはり人材輩出にすぐれた「教育機関」として、WASEDAを売った方がいいでしょう。
昨今は大学もグローバルな競争環境にさらされていますが、このグローバル競争下では、日本の国内で昔から培ってきた「早稲田」のネームバリューも、だんだん通用しなくなる。やはり、教育的ノウハウに優れている部分を、今後はどんどんアピールすべきでしょう。
教育の早稲田の“見える化”
そういう意味で、今回のWASEDA COURSE CHANNELは、「教育の早稲田」を“見える化”し、広く世間(海外も含め)にアピールする絶好の機会・ツールだと思います。逆に言えば、長期的に見て、この私的MOOC路線(ネット塾路線?)しか、早稲田の生きる道はないかもしれません。頑張れ、私学の雄、早稲田大学。